W杯中のドイツといえば、焼けるような日差しがとっても暑かったことを覚えているだろうか。日本代表もその暑さにやられて本来の力を発揮できなかった。
しかし!!!
最近のドイツはあんなもんじゃない。気温38度なんて日もあるぐらい、もう本当にひどい猛暑が続いている。しかも困ったことに、ドイツの家庭にはクーラーという文明機器がない。日本の相方からプレゼントされた『祭』という漢字がプリントされた暑苦しいウチワで扇ぎながら、必死に体が溶けるのをふせいでいる毎日だ。
そして、街はもうすっかり普通のドイツに戻った。
ちょっと前までチラホラ残っていたW杯ポスターもすっかり消え、お店の奥に追いやられたW杯グッズの売れ残りが切なさを醸し出している。
W杯期間中、ベルリン在住の方と話をする機会があり、
「最近ドイツ人が妙に親切だよね〜」というところで意見が一致。
世界中からお客さんを迎えるということで、どいつもこいつもネコを2,3匹かぶっていたようだ。
「ドイツ人って親切だな〜」という思い出を胸に日本へ帰った方には申し訳ないが…、
”あなた、ドイツ人の手のひらの上で転がされてますヨ”
と言っておきたい(笑)。
それを一番分かりやすく表しているのが、無賃乗車の取り締まりだ。
ドイツでは日本のように自動改札のようなものはなく、切符を買わなくてもとりあえず乗ることができる。ただし、たまに抜き打ち検札が電車を巡回し、そのときに切符を持っていないことがバレると、切符代+40ユーロの罰金を払わなくてはならない。
基本的にコイツらは違反者を見つけるのが目的なので、かなり高圧的な態度で迫ってくる。
しかもこの検札は私服で回ってくることが多いので見分けがつかない。ある日俺が電車に乗っていたとき、ずっと目の前の席に座っていた色っぽいお姉さんが突然勢い良く立ち上がって、「切符を見せなさい」と言ってきたときには本当に驚いた。危うく心臓が止まるかと思ったが、そのときはたまたま切符を持っていてホッと胸をなでおろしたものだ。
そんな検札がW杯中に来ればおそらく違反者が続出するんだろうなぁ…、と思いきやこれが全然検札に回って来ない。
これは未確認情報(というか確認できない情報)だが、おそらくW杯期間中は一切取り締まりを行わなかったんじゃないだろうか。
ドイツという国の印象を良くしたかったのか、取り締まりだしたらキリがないからなのか、それは分からないし知りたくもない。
ところがさらにビックリしたのが、決勝トーナメント以降の試合が組まれていない日だ。W杯は基本的にグループリーグから毎日試合が組まれていたのだが、さすがに決勝トーナメントになるとチーム数が減り、どうしても試合のない日というのが出来てくる。試合日には世界中のサポーターでどんちゃん騒ぎになっていた電車も、この空洞日はすっかり静けさを取り戻してしまう。
その日を待っていたかのように現れたのが、違反取締りの検札だ。
普段は半月に1度ほどしか見かけなかった検札を、1日に3回も出くわすほどの取り締まりぶりだ。この傾向は、W杯が終わったあとも数日続いていた。
W杯中に回収しそこねた違反金をかせごうというのだろうが…。
たとえ切符を持っていても、高圧的な検札に出くわすのはあまり気分が良くないものだ。
外面の良かったドイツがちょっと嫌いになった海賊ひでであった。


