バイエルンミュンヘンvsアーセナル 1st reg
バイエルンのホームスタジアム、オリンピアシュタディオンで行われた1戦。
ミュンヘンはとても寒く、選手もサポーターも白い息を吐いていた。ピッチサイドには雪が壁のように積み重なっていて、ハーフタイムにはサポーターが雪合戦をして遊んでいる姿も見られた。
この寒さというアウェーの洗礼に立ち向かうこともアーセナルには必要になる。
バイエルンはバラックを筋肉のケガで欠き、アーセナルはアシュリー・コールが風邪、キャンベルがケガ、ベルカンプは飛行機嫌いで帯同せず。両チームとも完全なベストメンバーは組めないが、アーセナルの方がDFラインの中心が2人も抜けることを考えるとやや不利か。
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サッカーの中のサッカー(バイエルン)
試合開始直後から圧倒的に攻め込んだのはバイエルンだった。2トップ、ピサーロ・マカーイが前線に基点を作り、ディフェンスラインからのボールを受ける。そこにフリンクスが絡んでボールを散らし、サリハミジッチ・ゼロベルトの両サイドからサイド攻撃。一言で言えば、バイエルンは非常に基本に忠実な攻めだった。バラックが欠場している分、中央からのミドルシュートなどの怖さはなかったが、その分サイドからの分厚い攻撃には目を見張るものがあった。アーセナルのDFも対人は強いのだが、一度前線のピサーロらに基点を作られるとどうしてもマークがずれる。そして困ったことにそのずれた箇所をレジェスやピレスはカバーしてくれないのだ。
サイドに泣いたアーセナル、サイドで吠えたバイエルン
アーセナルはバイエルンの徹底したサイド攻撃に全く対応できなかった。その大きな原因は、ピレス・レジェスがほとんどディフェンスしないこと。ディフェンスに入ったときもものすごく軽くアッサリかわされて追いかけようともしない。この日、アーセナル監督のベンゲルは普段サイドで起用するリュングベリをFWアンリの下に置き、レジェス・ピレスをサイドMFに起用した。裏へ抜けるスピードの早いリュングベリを生かして彼にゴールを決めさせようという意図だったのだろうが、これは逆効果だった。リュングベリは慣れないポストプレーをこなすことに戸惑い、レジェスは無理な突破を仕掛けて何度も自分の裏を取られてしまった。バイエルンの長所とアーセナルの短所が上手くかみ合ってしまっていた。
付け加えれば、DFトゥレは得点にも失点にも絡む大活躍。センターバックが目立つ仕事ぶりというのは全く褒められたものではない。GKレーマンに関しても目に見える大きなミスはなかったものの、飛び出し・シューターとの間合いといった立体的感覚に欠けたキーパーだということを再び露呈してしまった。
美しきプレッシングサッカー
バイエルンの守備は圧巻だった。並のプレスならアーセナルは簡単にパスを回して切り裂いてしまうが、バイエルンの守備はあまりに見事だった。前線と中盤が連携してプレッシャーをかけて囲み、中央をガッチリと抑えた。そしてレジェスらのサイド突破にも、カバーリングが完璧。たとえドリブルで一人かわしても二人目で必ず捕まってしまう、そんな絶妙の組織バランスで守っていた。完全な1vs1は全く作らせず、なんとかかわしてパスを回すアーセナルをどんどん追い詰めていく。そしてボールを奪えばすぐに縦へ攻める。前線がサボるアーセナルに対し、全員ディフェンスのバイエルンは美しいまでに理想的なプレスをかけていた。ボールポゼッションで負けてもゲームを支配したのはバイエルンだった。
2nd regへの展望
ほとんどいい所のなかったアーセナルだが、セットプレーからとはいえ1点を返したのは大きい。これで2ndのアーセナルホームで2−0でもアウェーゴール2倍ルールにより勝ちとなる。
そこで焦点になるのが2ndでのバイエルンの戦い方だ。守備に重きを置いて1点差以内に抑えて総合勝ちを狙うか、さらにアウェーでも攻めて2勝を狙うか。これは監督の考え方が全てになるが、マガト監督の傾向からいけばおそらく守備的に戦うことになるだろう。その場合、鉄壁のバイエルンの守りをアーセナルがどう崩すかがポイントになる。中央をガッチリ固められると何も出来ないアーセナル。この欠点は何年も前から全く変わっていないし、これこそがアーセナルが欧州リーグで勝てない理由だ。2nd regでアーセナルが爆発するきっかけを得るか否か。全てはそこにかかってくる。


