2000年のプレミアリーグ−。
マンチェスターU vs ウェストハム
マンUTV Classicsで観戦したこの試合。
デヴィッド・ベッカム、ポール・スコールズ、ロイ・キーン、ギャリー・ネビル、ニッキー・バット、ライアン・ギグス。
あの伝説と言ってもいい、チャンピオンズリーグ決勝のバイエルン・ミュンヘン戦−。後半ロスタイムのゴールで逆転勝ちを果たしたこの試合を、僕は今も強烈に覚えている。一度この試合を見たら、「赤い悪魔」という言葉を忘れることが出来なくなるだろう。
そんなマンUで育った選手たちの、若き日のリーグ戦の姿を久しぶりに見た。当時絶頂期の彼らは、1−6(?)くらいのスコアで完膚なきまでにウェストハムを叩きのめしていた。
まぁ今はもれなくOVER30のおじ様たちだが。
ベッカムは今の方がセクシーでカッコいい。
プレーも右足の精度は相変わらずで、とんでもないFKを決めていた。
ニッキー・バットはやっぱ昔も悪いヤツだ。プレーがエグいし、グロい。後ろからだろうが何だろうが、ためらいなく引っ掛けて止めちゃう。
ギャリー・ネビルはベッカムと楽しそうにプレーしているのが見て取れた。2人の間のパス交換が圧倒的に多い。若い頃はけっこうさわやかな顔をしている。
・・・などと今と昔を見比べていると、
相手チームのウェストハムの中に若干見覚えのある選手が。
それは、フランク・ランパード。
今は押しも押されもせぬ、チェルシーのプレーメーカーだ。
「唯一変えの効かない選手」とモウリーニョに評され、怪我をすることなく試合に出続けている姿は賞賛に値する。イングランドナショナルチームでもその能力は突出していて、ドイツW杯での活躍に期待が集まっている。
マンUの相手チーム、ウェストハムにはそのランパードがいたのだ。
(ほかにもリオ・ファーディナンドの姿なども)
若き日のランパードは、今に比べて少しぷっくりとしていた。おそらく年齢はまだ10代だったはずだ。アスリートらしい、頬のこけた今のランパードとはかなり印象が違って見えた。ボールテクニックも今ほどではなく、無骨にドリブルする他の選手とさほど違いは見られなかった。
しかし、彼はとても印象的な選手だった。
大差で負けているにもかかわらず、中盤を猛犬のように走り回ってスライディング。ボールを前へ、ボールを前へ、ただひたすらに前へ。
しかしランパードがせっかく前へ運んでも、FWやウィングがだらしなくてゴールが決まらない。結局逆転どころか、点差は開く一方で試合はタイムアップの笛を迎えた。
孤独で一途な彼の戦いは、それが限界だった。
ランパードはその後、ビッグクラブであるチェルシーへの移籍を果たすわけだが、その頃のランパードがテクニックやスピードで突出した選手だったとは思えない。しかし、屍同然だったウェストハムの選手の中で唯一まぶしい光を放っていた彼の姿は、きっとスカウトの目にも輝いて見えたことだろう。
サッカー選手に一番大切なものってなんだろうか?
高さ? スピード? テクニック? それとも?
それを考えさせられた試合だった。


