オシムの宿題をやろう 【キリンカップ コロンビア戦】
6月5日キリンカップ
日本代表 0(0-0、0-0)0 コロンビア代表
とんでもなく、ドキドキしながら観戦しました。
なんせ前半の途中までは圧倒的なコロンビアペース。南米の個人技にやられている姿といい、ユニフォームの色といい、ドイツW杯のブラジル戦を思い出して、
「また、黄色いヤツらにボコボコにやられるのかよ……!」
なんて思ってたもんです。
ところがどっこい。
だんだんと相手の素早いチェックにも慣れてきて、後半からは逆にアグレッシブなサッカーをしてコロンビアを押し込む展開に。
90分という時間が経つのを、とてつもなく早く感じました。
試合終了間際に、播戸がスライディングタックルでDFのパスをクリアしたとき、
「ワーーーーッ!!!!」とスタジアムが揺れんばかりの歓声が起こりました。
ただのスライディングカットですよ? しかも試合終了間際。みんな目だって疲れているころなのに。明日会社だってあるのに。
あの大歓声が、今日の日本代表のパフォーマンスをいちばんよく表していたと思います。
正直、最初にメンバー表を見たときは「エッ」と思いました。
突然の1トップ。さらにMFには中村俊輔、遠藤保仁、中村憲剛、稲本潤一と、プレーエリアやスタイルの近い選手がズラーリ。
モンテネグロ戦後にオシムが言った、
「中村俊輔を使ってみて観客が1万5000人増えるのなら、ベストコンディションじゃなくても使ってみてもいいかもしれない」という冗談を現実にして、バランス度外視でスターを並べたのかと思った。
「こんなんで、サイドをどうやって守るんだ?」と不安になり……、
実際にその不安は的中。
立ち上がりは特に日本の右サイド、「敵の13番(左サイドMF)を中村憲と僕のどっちが見るのか、はっきりしてなかった」(駒野談)という弱点を突かれてチャンスメークを許してしまった。
どうしても4-5-1で、攻撃的MFを中村俊と遠藤にすると、中央に寄ってしまって1トップ2シャドーのような形になり、サイドが薄くなる。
4-4-2にしてサイドを広くカバーしたり、サイド職のMFを使ったほうがバランスが良くなるのに……と思ったけど、試合後の中村俊の話によれば、
「いや、コロンビアは強いっすよ。そんなに上手くいかないですって。中盤を5枚にして正解。中途半端に4-4-2なんかで勝負したら、逆にもっと好き放題にパスを回されてた」
なるほど。確かに納得。
中盤のプレスが中央に寄ることで、ある程度サイドの対応が後手に回るのを「やむを得ず」と開き直ったのが良かったのかもしれない。
少なくとも中央をブチ抜かれるという、最悪のシナリオは避けられる。
「スタメンの"カミカゼシステム"は、リスクの大きい構成だった。我々はそこから生き残った」(オシム監督)
カミカゼシステム-。
コロンビア代表を"格上"と認めた上で、日本の良さを十分に生かすために採用されたシステム。
一見めちゃくちゃのようで、コロンビアの実力を冷静に分析した対応策だった。
戦略ってのは面白いもんですね。
自分と相手、両方の力が客観的に見えていないといい戦略は立てられない。オシムがよく言っていることですが、それを今日は実感しました。
(コロンビア代表監督アファナドル、会見談話)
「日本はダイナミックで、リズミカルなプレーをするいいチームだった。私はいつも日本代表を見ているが、毎回見るたびに成長しているのがわかる。弱点は、個人技が発達していないこと。しかし、リズムの均衡を崩すのが上手い」
「今日は全力のコロンビアをみなさんに見せたので、幸せな気持ちで帰ることができます。オフェンシブなチーム同士、非常によい試合だった」
と、敵将からもお褒めの言葉をいただきました。
さてさて……語り始めればあと20時間はかかりそうなので、これくらいにしときます(笑)
最後に、オシム監督はこんな宿題を出してきました。
「この試合でみなさんが何を感じたか、何を発見したか。その感想をみなさんで話し合っていただけたらと思います。注意深く見ていた人は、いろいろなことを感じたはずです。ヒントは、人もボールも動いている時間帯にはエレガントなプレーができたということ」
というわけで、何か発見したことなどあればコメントください。
日本代表 0(0-0、0-0)0 コロンビア代表
とんでもなく、ドキドキしながら観戦しました。
なんせ前半の途中までは圧倒的なコロンビアペース。南米の個人技にやられている姿といい、ユニフォームの色といい、ドイツW杯のブラジル戦を思い出して、
「また、黄色いヤツらにボコボコにやられるのかよ……!」
なんて思ってたもんです。
ところがどっこい。
だんだんと相手の素早いチェックにも慣れてきて、後半からは逆にアグレッシブなサッカーをしてコロンビアを押し込む展開に。
90分という時間が経つのを、とてつもなく早く感じました。
試合終了間際に、播戸がスライディングタックルでDFのパスをクリアしたとき、
「ワーーーーッ!!!!」とスタジアムが揺れんばかりの歓声が起こりました。
ただのスライディングカットですよ? しかも試合終了間際。みんな目だって疲れているころなのに。明日会社だってあるのに。
あの大歓声が、今日の日本代表のパフォーマンスをいちばんよく表していたと思います。
正直、最初にメンバー表を見たときは「エッ」と思いました。
突然の1トップ。さらにMFには中村俊輔、遠藤保仁、中村憲剛、稲本潤一と、プレーエリアやスタイルの近い選手がズラーリ。
モンテネグロ戦後にオシムが言った、
「中村俊輔を使ってみて観客が1万5000人増えるのなら、ベストコンディションじゃなくても使ってみてもいいかもしれない」という冗談を現実にして、バランス度外視でスターを並べたのかと思った。
「こんなんで、サイドをどうやって守るんだ?」と不安になり……、
実際にその不安は的中。
立ち上がりは特に日本の右サイド、「敵の13番(左サイドMF)を中村憲と僕のどっちが見るのか、はっきりしてなかった」(駒野談)という弱点を突かれてチャンスメークを許してしまった。
どうしても4-5-1で、攻撃的MFを中村俊と遠藤にすると、中央に寄ってしまって1トップ2シャドーのような形になり、サイドが薄くなる。
4-4-2にしてサイドを広くカバーしたり、サイド職のMFを使ったほうがバランスが良くなるのに……と思ったけど、試合後の中村俊の話によれば、
「いや、コロンビアは強いっすよ。そんなに上手くいかないですって。中盤を5枚にして正解。中途半端に4-4-2なんかで勝負したら、逆にもっと好き放題にパスを回されてた」
なるほど。確かに納得。
中盤のプレスが中央に寄ることで、ある程度サイドの対応が後手に回るのを「やむを得ず」と開き直ったのが良かったのかもしれない。
少なくとも中央をブチ抜かれるという、最悪のシナリオは避けられる。
「スタメンの"カミカゼシステム"は、リスクの大きい構成だった。我々はそこから生き残った」(オシム監督)
カミカゼシステム-。
コロンビア代表を"格上"と認めた上で、日本の良さを十分に生かすために採用されたシステム。
一見めちゃくちゃのようで、コロンビアの実力を冷静に分析した対応策だった。
戦略ってのは面白いもんですね。
自分と相手、両方の力が客観的に見えていないといい戦略は立てられない。オシムがよく言っていることですが、それを今日は実感しました。
(コロンビア代表監督アファナドル、会見談話)
「日本はダイナミックで、リズミカルなプレーをするいいチームだった。私はいつも日本代表を見ているが、毎回見るたびに成長しているのがわかる。弱点は、個人技が発達していないこと。しかし、リズムの均衡を崩すのが上手い」
「今日は全力のコロンビアをみなさんに見せたので、幸せな気持ちで帰ることができます。オフェンシブなチーム同士、非常によい試合だった」
と、敵将からもお褒めの言葉をいただきました。
さてさて……語り始めればあと20時間はかかりそうなので、これくらいにしときます(笑)
最後に、オシム監督はこんな宿題を出してきました。
「この試合でみなさんが何を感じたか、何を発見したか。その感想をみなさんで話し合っていただけたらと思います。注意深く見ていた人は、いろいろなことを感じたはずです。ヒントは、人もボールも動いている時間帯にはエレガントなプレーができたということ」
というわけで、何か発見したことなどあればコメントください。