持っているだけでドイツ鉄道乗り放題というオプション付き。雑誌など各メディアに1枚もしくは2枚ずつ、そして新参メディアには1枚も与えられないというプラチナパスだという。
ぺーぺージャーナリストの俺がそんな高尚なモン持っているわけがない。
ふんだ!そんなモンなくても取材は出来るわい!
…などと強がりつつも、ちょっと気を抜くとぼけ〜っと羨望の眼差しをおくってしまう素直に情けない自分もいるのだが。
でもそういう便利なものがなかっただけに、面白い経験がいっぱい出来たのも事実。今回はその中からひとつのエピソードを紹介しようかと思う。

こちらは今回「ミスW杯2006」に輝いたトーゴのバダコウさん。24歳。
実にチャーミングでスタイルが良く、その圧倒的なフィジカルとテクニックを武器にいったい何人の男をゴールネットに沈めてきたのだろうか・・・。
ま、おやぢ発言はこの辺で…。
見て欲しいのはそっちじゃなくて、その横の男。その名をホルガーという。
俺が最初にトーゴ取材に行ったのは、トーゴ代表とFC Wangen(ヴァンゲン市のクラブチーム)の練習試合の日。
スタジアムの裏にあった関係者出口に"パスなし"で向かい、
「ジャーナリストなんだけど、入れて」
と堂々と仰せになる海賊ひで。
一応取材申請は送っておいたんだけど、ギリギリに送ったせいか受付にまで回ってなかったようだ。パスの代わりに名刺を渡しても鼻で笑われる始末。
当然のように後回しにされ、韓国のTV局などのメディアが「なんだコイツ」という目で俺を見ながら横を通り過ぎていく。
(韓国はトーゴと初戦であたるのでメディアがいっぱい来てました。日本がオーストラリアを取材しているようなもんですね)
あ〜もう試合始まっちゃうよ〜…、と思い始めたところに現れたのがプレスオフィサーのホルガーさん。
ホルガー「どっから来たの?」
海賊ひで「日本。」
ホルガー「ヴァンゲンにはいつからいるの?」
海賊ひで「30分前。」
ホルガー「来たばっかじゃん(笑)。もっとここを楽しんでいけよ。」
海賊ひで「そのつもりだよ。トーゴ代表の取材があるしね。ここは静かで空気がウマくて人も親切だし、田舎モンの俺には最高だよ。」
などという他愛もない(?)話をしていたら、
ホルガー「ま、とりあえず中に入りなよ。え?パス? いいよいいよ。」
というわけで侵入成功。
この日から俺は記者会見などあらゆる取材に、「やぁ」で入っていくことになる。
いわゆる『顔パス』ってやつ(笑)。
ホルガーはその後も、
「あっちで記者会見やるぞ。」
「こっちに選手が来るぞ。」
と教えてくれたり、ドイツ語やフランス語を翻訳してくれたりと、何でこんなに優しいのか意味不明なぐらいに優しくしてくれた。
若いけどドイツ語・フランス語・英語を完璧にこなし、記者会見の仕切りもキチッとこなすデキる男。
マスコミが会見場でガヤガヤ騒ぎだすと、
「静かに!」と一喝。
ちょっと押しが弱そうな外見からは想像が付かないホルガーの一面だった。
都会にいるドイツ人にはいけ好かないヤツもいっぱいいるけど、やっぱ田舎は最高!
「田舎に住むヤツに悪いヤツはいない。」これ世界共通。
ホルガーが日本に遊びに来ることがあったら、VIP待遇決定ですわ。
(日本の居酒屋の良さを教えてやりたいなぁ。けっこう日本に来た外人からも評判いいんだよね。外国ってディナーはディナー、バーはバーって感じで、お酒のつまみを楽しむって文化がないからさ。居酒屋にあるお酒よりも種類が多いおつまみメニューは、外人には新鮮みたい。おためしあれ。)


