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浦和のペトロビッチ体制を振り返る (3)理想を追い過ぎる、せっかちな性格

2011年10月27日配信の「しみマガ」より抜粋

 ペトロビッチ監督のリーダー像について振り返りましょう。

 浦和を専門に取材する記者の中で、ペトロビッチを支持した人の多くは、彼が現役時代に浦和でプレーしていたころから知己の間柄であったため、『指導者としてはダメだが、人間としては好きだから』という理由で支持する人が多かったのではと思います。

 僕は真逆でした。

 ペトロビッチについては指導者としての戦術や練習メニュー、分析力を評価しており、むしろリーダーとしての人間性には疑問符が付くことのほうが多かったのです。

 たとえば記者会見で挑発的な質問をした記者に対して「だったら他のクラブを見に行けばいい」と不遜な態度で答えたり、記者会見で「浦和のFWは点を取れない」と個人批判をしたり、海外放送局のインタビューで「浦和はマンチェスター・Uではない。ボルトンだ」とクラブを貶めるようなことを言う。(ボルトン=サポーターは熱狂的だが実力は中位のクラブ、という意味でしょう)
 
 ペトロビッチの主張の内容が間違っているとは思いません。すべて事実であり、正しい分析だと思います。彼がジャーナリストならば優秀な人間と評価できるかもしれません。しかし、少なくとも監督が言うべきことではない。それを彼はベラベラとしゃべってしまう。

 フロントとの軋轢からストレスを受けていたのかもしれませんが、ウェストハムでコーチを務めていたときにも、このようなトラブルがあったと聞きます。これは彼という人間の本質なのでしょう。

 「間違っている」と感じたものは、ただちに真っすぐに正さないと気が済まない性格。短気なのです。彼が釣りをしているところを見たことはありませんが、おそらくジッと待つことはできず、「ああダメだ、変えよう。ああダメだ、こっちにしよう」と、仕掛けを頻繁に変えるタイプではないかと思います。集中力が高く、研究熱心なのですが、我慢ができない。

 彼のせっかちな性格は采配にも現れました。

続きは「しみマガ」にてどうぞ!
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浦和のペトロビッチ体制を振り返る (2)保有戦力とスタイルの不一致

2011年10月25日配信の「しみマガ」より抜粋

 トップチームの監督の仕事が、『保有戦力で望める最高の結果を出すこと』と定義するなら、結果論ではありますが、ペトロビッチがオランダサッカーでスタートした判断は選手の特徴に合わなかった、すなわち失敗だったと言わざるを得ません。
 オランダ人の平均身長は180センチを越えていて、内転筋が強く、インサイドキックで距離の長いパスを出すことができます。そもそも体格が違うのだから、彼らのサッカースタイルは日本人選手には簡単には合わないということでしょう。

 特に浦和は山田直や柏木など小兵が多く、オランダ人的なプレーよりも、アジリティー(敏しょう性)や運動量を生かすスタイルのほうがやりやすかったのかもしれません。ただ、すでに述べたようにペトロビッチも中期~後期にはそうした方向性に舵を切ったわけですが、一連の思考錯誤の中で取るべき勝ち点を失ったのも事実だと思います。

 もちろん、ペトロビッチにも同情しなければならない点はあります。

 GMの柱谷幸一氏から『主導権(ポゼッション)を握る攻撃的なサッカー』というリクエストを受けて就任したにもかかわらず、センターバックに補強した永田充は新潟のカウンタースタイルのサッカーで活躍した選手。そしてもう1人のセンターバック、スピラノビッチもボールテクニックは下手ではないが状況判断が遅く、ワンタッチ、ツータッチでプレーするスピード感に乏しい選手です。

 きちんとゴールに向かうポゼッションをするためには、『ボランチが前を向いてボールを持つこと』が一つのキーポイントになります。

 ガンバ大阪でいえば、遠藤保仁が前を向いてボールに触れるように、彼自身も自由に動くし、周りもサッと預けるようにしています。浦和でいえば柏木や鈴木啓太にいい状態でボールを渡せるようにしなければならない。

 そのためには、センターバックがパスを回して敵のFWをかわし、良いタイミングでボランチにボールを渡さなければならないのですが……永田とスピラノビッチにはそれがほとんど出来ませんでした。DF間で横パスを回すだけで、縦に運ぶことができないのです。

 それに加えてシーズン序盤は、ボランチの柏木が距離感を広くした状態にフィットできず不調だったため、浦和は後方からのビルドアップはほとんど機能しませんでした。

 ならばとそれを諦めると、FWに長いクサビを入れて、ポストプレーからボランチに前を向いた状態でボールを預けるという選択肢になりますが、これに関しても序盤のエジミウソン、そして中期から加入したデスポトビッチ、どちらもあまり上手ではなく、やはり機能しない。

 前で溜まらない、後ろからも運べない。これはなかなかに絶望的な状況です。ガンバ大阪のようにビルドアップがうまいチームはこの両方を使いこなすことができ、それほどビルドアップがうまくないクラブでも、前か後ろかどちらかの方法論はだいたい持っているものです。

 しかし、浦和には両方が欠けていた。下位クラブならともかく、浦和ほどの運営予算があってこのような状況に陥るのは完全にフロント(選手スカウティング)の落ち度です。

続きは「しみマガ」にてどうぞ!

浦和のペトロビッチ体制を振り返る(1)「フィンケサッカーの弱点を解消するべく……」

2011年10月25日配信の「しみマガ」より抜粋

 結局、今シーズンの浦和は、最初から最後まで『距離感』がキーワードだったと思います。

 ペトロビッチの解答「ピッチを幅広く使ってドリブラーを生かす攻撃」は、決して間違っているものではないし、ドリブラーを生かすという発想は世界では当たり前なのに、Jリーグではなかなか見られない。その可能性を切り開いてくれる戦術ではないかと、僕は期待をしていました。

 ただし、ピッチを幅広く使ってドリブラーにスペースを与えることで、選手同士の距離が長くなり、より強いボールを正確に『止めて蹴る』ことが求められます。元日本代表監督のオシム氏や岡田武史氏も、日本人選手にその基本能力が足りていないことをしきりに指摘していました。

 山田直輝はその最たる例。浦和の中でもプレーの距離感がかなり短く、コンパクトな中では衛星のように動き回って敵をかき回す持ち味を出せるが、ピッチを幅広く使う攻撃で選手同士の距離が遠くなると、1対1にさらされて何もできなくなってしまう。

 Jリーグでは、ガンバ大阪などポゼッションを得意とするチームでも、選手同士の距離が短く、サイドハーフはどんどん中央に入ってきて密集した状態でパスを回します。距離を長くするとキックやトラップでミスが出やすくなるので、この密集ポジショニングは日本人の能力に合わせた戦術であると言えます。岡田武史氏も、代表監督就任時には「接近、展開、連続」というキーワードを掲げましたが、それも同じこと。日本人の短い距離感を生かそうという目的でした。

 そう考えれば、ペトロビッチが考案したオランダ式4-3-3は距離感の面で日本人選手に対してミスマッチであり、どうアジャストするか見守っていましたが、結局早い段階で4-4-2を試すなど、オランダサッカーでスタートしたペトロ浦和も、最終的にはお互いの距離が短くなり、徐々にJリーグらしいサッカーにまとまっていきました。

 そして今節ペトロビッチに代わって指揮を執った堀監督は、4-1-4-1システムを用いて前線の山田直輝やセルヒオ・エスクデロの周辺の距離感をさらに短くし、コンパクトにした中で自由に動き回ってプレーさせました。

 より選手の特長に合わせた形です。試合序盤はそのせいで大渋滞を引き起こしてリズムに乗れませんでしたが、柏木陽介が、ワンボランチの鈴木啓太と動き回る山田直輝のちょうど間を埋めるようなポジショニングで中盤のバランスを取り、試合のペースを握ります。

 浦和はPKという幸運も手伝って見事2-1で逆転勝利を果たしました。横浜FMは調子を落としていたので、ペトロビッチのままでも勝てたような気はしますが、より浦和の選手を知り尽くした堀監督の戦術がはまったのも勝利の一因かもしれません。

続きは「しみマガ」にてどうぞ!

長友佑都が身につけたテクニックとは?

2011年10月14日配信の「しみマガ」より抜粋

 長友選手が大きくステップアップする上で、FC東京で監督を務めていた城福浩さんが課した、『左サイドバックへのコンバート』は欠かせない要素でした。
 なぜなら、ポジション別にサッカー選手の需要と供給のバランスを考えると、左サイドバックは、供給に対して需要が足りなくなる傾向が強いポジションなのです。

 ドイツでUEFA A級ライセンスを取得した指導者である片山博義氏のところには、「どうすればプロ選手になれるのか?」という悩みを抱えた若い選手がたくさんやって来るそうですが、もしもその選手が技術、スピード、身体能力などで特に目立った資質がなく、平均的な能力を持っている場合は、

 「サイドバックを目指せ」

 と、伝えるそうです。誰もが認めるような分かりやすい資質を持った選手は、だいたい他のポジションに着く傾向があり、サイドバックはどちらかといえばプロ選手になりやすいポジションなのです。

 ましてやそれが左サイドバックなら、左足を使える選手という条件により、さらに供給の割合が減るので、このポジションの選手は比較的レギュラーを維持しやすくなります。つまり、長友が左サイドバックをできるようになれば、ビッグクラブへの移籍などに関しても大きなアドバンテージになるというわけです。

 もちろん、長友はそこから努力を重ねました。

 まずは、『左足で正確にパスを出せるようになること』を目指しました。

 左サイドバックの選手が右足にボールを置いてしまうと、ピッチの中央側にボールを置くことになり、ピッチの横幅を広く使うことができなくなります。たかが右足と左足の違い、肩幅程度のボールの置き位置の違いですが、これが前線からプレスをかけて来る敵の足に引っかかるか引っかからないか、大きな違いとなって現れます。

 敵陣に入ってしまえばあとは仕掛けるだけなので右足にボールを置いても構いませんが、少なくとも自陣では左足でコントロール&パスをして、ビルドアップする必要があるのです。

 最初のうちは長友も右足のみでプレーしていたため、左サイドを広く使えず、ビルドアップにあまり貢献できない選手でした。しかし、練習によって左足をスムーズに使えるようになり、まずはこの壁を乗り越えます。

 すると、次は左足でのクロス。

 同じ左足のキックでも、グラウンダーのパスや、強く叩くシュートなどは比較的難易度が低いのですが、クロスは少し違います。手前にいる敵DFの頭を越えて、ゴール前の味方FWのところに落ちてくるような軌道、それがクロスに適したボールです。

 これを利き足以外でやろうとすると、非常に難しい。真っすぐ打つだけのインサイドキックやインステップキックとは違い、クロスはボールに回転をかける蹴り方をしなければならないので、微妙なコントロールが要求されるのです。

 しかし、長友はこれも克服。

 徐々に精度は上がっていましたが、「これはすごい!」というクオリティーを見せたのは、南アフリカワールドカップの直後に行われたキリンチャレンジカップ、グアテマラ戦での森本貴幸へのアシストでした。クロスのスピードがあり、森本の手前で鋭く曲がりながら落ちる軌道。素晴らしいボールでした。

 センスが重要なドリブルとは違い、キックは練習しただけモノになると言われています。努力の虫である長友には取り組みやすかったのかもしれません。

 さらにクロスに関しては、もうひと工夫ありました。

続きは「しみマガ」にてどうぞ!

情報戦に圧勝していたザックジャパン

2011年10月13日配信の「しみマガ」より抜粋

 ザックジャパンがタジキスタンに8-0と快勝し、勝ち点7でワールドカップ3次予選のグループ首位に立ちました。相手が格下とはいえ、日本は非常にテンポの良い試合を展開したので、長居スタジアムに訪れたお客さんも十分な満足感を得られたのではないでしょうか。

 タジキスタンは、メンバー登録の不正によるシリアの失格で、2次予選から繰り上げ通過を果たしたチーム。いわば「棚から牡丹餅」で3次予選に参加しているわけで、勝負にかける本気度はウズベキスタンや北朝鮮に比べるとかなり低かったと思います。

 それを裏付ける事実も一つ。実は試合の前日、サッカーメディアの同業者が大阪の街でタジキスタンの選手と遭遇しているのですが、そのとき彼らは、今回のメンバーから内田篤人がケガで招集外となっていることを知らず、「ラッキー!」と喜んでいたそうです。

 シャルケでプレーする内田のことは知っているけど、内田が今、ケガしていることは知らない。その程度の情報さえも、タジキスタンには入っていないようでした。

 さらに試合後の記者会見で、ラフィコフ監督は「(突然3次予選への出場が決まったことで)我々にはとにかく時間がなかった。日本のことは、スピードが速くてテクニックのあるチームという印象は持っているが、個人の分析はしていない。(ハーフナー・マイクについて)高さのある選手を使ってくるプランは予想していたが、ハーフナーという選手個人については知らない」

 と語っています。やはり日本チームの分析はほとんどできていない様子。

 タジキスタンの出場が決まってからわずか2カ月足らず。このようなタジキスタンの情報戦の拙さを見る限り、相手どうこうよりも、自国の代表チームを再起動してアウェーへの遠征の準備をするだけで精一杯だったのでしょう。不意に組まれたスケジュールですから、タジキスタンが旧ソビエト圏の最貧国であるという事情を考えても、予算面で苦労したことは想像に難くありません。

 一方、日本の場合はその2カ月の間にも、タジキスタンのビデオを取り寄せたり、現地事情を視察してアウェー遠征に備えたり、さらにJFAからタジキスタンに出向しているコーチを情報源にするなど、さまざまな対策を打ち出しました。

続きは「しみマガ」にてどうぞ!

日本には有能な指導者がステップアップするチャンスがない

2011年10月07日配信の「しみマガ」より抜粋

 近年、欧州へ渡る日本人選手が急増しています。

 日本人選手が話題になれば、それを伝える日本メディアの仕事も増えるわけで、多くのライターが渡欧しました。特に多いのがドイツ。これを機にドイツへ移住する人もいれば、1週間~1カ月程度の長期滞在で取材する人もいます。今のドイツはお金になる。僕が住んでいた05~06年頃は、日本人選手といえば高原直泰くらいだったので、ずいぶん時代が変わったなと感じます。

 また、ドイツでの仕事が増えたのはライターだけでなく、選手の通訳、代理人、マネージメント、さらには応援ツアー等のイベントに絡む代理店もあり、サッカーファンもたくさん観戦に訪れています。選手の移籍をきっかけに、みんなが世界のスタンダードを肌で感じながらステップアップしていく。このような交流は、日本サッカー全体が今まで以上に発展するために不可欠な要素であると僕は考えています。

 しかしそんな中、日本サッカーのカギを握る存在でありながら、この流れに大きく乗り遅れている職業もあるのではないでしょうか。それは『指導者』です。 

 本来ならばワールドカップで実績を収めた岡田武史氏、クラブワールドカップでガンバ大阪を率いた西野朗氏などは、下部リーグからでもヨーロッパのクラブにチャレンジできる、名の通った指導者だと思います。実際にそのようなオファーや問い合わせがあったとも聞きましたが、個々に事情もあり、そのような日本人トップクラスの指導者がヨーロッパで第一歩を踏み出すケースは現状では生まれていません。

 やはり言語の問題はありますが、それ以上に大きいのは、日本サッカーの監督を取り巻く環境ではないかと思います。本来ならば監督という職業は、チームの結果のみに去就を左右される『プロフェッショナル』な仕事ですが、日本は違います。一度サッカー界の権力の内側に潜り込むことができれば、あとは安泰。サッカー協会や有力代理人の息がかかった監督ならば、たとえチームを降格させて、解任されても、用意された新たなポストに天下りすることができる仕組みなのです。そのような官僚社会から、海外へ出てステップアップしようという野心のある指導者が出てくるはずもありません。

 実際に「なぜこの監督がまたJクラブで指揮を執れるんだ!?」と感じるような人事はたくさんあります。結局、有力代理人とクラブがズブズブにつながっているので、「優秀選手を送り込んでやったんだから、この監督を引き受けてくれ」といったことが常態化している、と聞きます。

 指導者は結果を出すことよりも、権力の内側へ行くことのほうが出世の早道。日本の悪い風習は、公共性の高いところほど色濃く残っています。

 このような構図は、Jリーグ以外の大学リーグや育成年代など、他のカテゴリーではより顕著になります。年功序列がすべてのベースで、未だに精神論以外の引き出しを持たない指導者がごまんと存在します。そして結果が出なくても、彼らの責任が問われることはない。このような環境が、能力ある若い指導者に対してチャンスを与えることがあるでしょうか? 選手経験もなく、33歳の若さでチェルシーの監督に就任したビラス・ボアスは、日本では絶対に生まれないタレントである。非常に残念なことです。

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金田喜稔インタビュー『ここがヘンだよ。日本の練習』

2011年10月07日配信の「しみマガ」より抜粋

 ここからは、僕が構成した書籍『サイドアタッカー キンタ流突破の極意』の著者であるサッカー解説者、金田喜稔さんのインタビューをお届けしたいと思います。

 システムや戦術論がベースのサッカーメディアに慣れた方にとっては、金田さんの実戦的な技術論が新鮮に感じられたのではないでしょうか?

 実は、僕が上記の書籍を構成したきっかけは、「普段ボールを蹴っているライターに、ワシの本は書いて欲しい」という金田さんの一言で決まったという背景があります。

 どんなに組織や戦術論を語っても、まず、個人を育てなければ話にならない。パスサッカーといっても、ボールを持てなければ話にならない。キックもドリブルも、まずボールを置けなければ話にならない。

 金田さんが語る『サッカーの基本』。現代の多くの指導者やサッカーファンが忘れかけていることを、改めて指摘されたような気がします。金田さんをインタビューしながら、僕自身もさまざまな刺激を受けました。詳しくはぜひ、書籍のほうを一読頂ければと思います。

 さて。ここからは、書籍にもスポーツナビにも出ていない、今回新たに聞いた金田さんの鋭すぎる指摘を紹介します。

 テーマは『ここがヘンだよ。日本の練習』。

 たとえば少年サッカーやユースサッカー、あるいはJリーグや代表戦などでも、ウオーミングアップや自主練習のときに、何となく2人でボールを蹴り合う『対面パス』を行っている選手をよく見かけると思います。








 ここに金田さんは疑問を投げかけました。

 「みんな当たり前のようにやっとるけど、対面パスは練習と言えると思うか? たとえば、ワシとお前が5メートルくらい離れた位置にいて、お前からワシに来たボールを、ワシが角度も変えずに真っすぐお前に返すという状況が、試合の中に存在するのか?

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山田直輝が浦和で活躍できない理由 その2

2011年09月30日配信の「しみマガ」より抜粋

 さて。もう一つの理由である、『運動の量はあるが質が低い』という問題について説明しよう。
 エスクデロなどにも共通するが、山田直は単純に動き過ぎている。せっかちで、無駄な動きが多い。

 鹿島の選手を見ていると分かるが、オフザボールのときに、そんなにバタバタと走り回る選手はいない。パスを受ける山田直が縦横無尽に走り回っていると、相手の守備は混乱するかもしれないが、同時に山田直にパスを出す味方まで、どこにパスを出していいのか混乱してしまう。

 元日本代表の鈴木正治氏にポジショニングの基本を聞いたとき、「オフザボールの動き直しは1回まで。それ以上あっちこっちと角度を変えて動き過ぎると、パスをもらえなくなる」ということを注意していた。まさに山田直がそれに当てはまる。

 動き過ぎることのデメリットは他にもある。

 味方のわずかなキックミスを吸収することができないのだ。たとえば、あなたが立ち止まっている場面と、前方へ全力疾走している場面の両方を想像してみてほしい。

 味方があなたにパスを出した……しかし、そのパスが左に1メートルずれたとする。

 立ち止まっている場合と、全力疾走している場合では、どちらがそのパスを受け取りやすいか? 

 もちろん、立ち止まっているほうが、スッと横に動いて乱れたパスを修正しやすくなるだろう。

 スペースへ走り抜けるケースは別として、ボールの基点を作るとき山田直は走り回りすぎており、この修正力があまり効いていない。もちろん、パスを受けるとき、マークを外すために少し動くことはあるが、走り回る必要はない。少しボールに寄るだけで十分なのだ。そのほうがパスの出し手も、どこにパスを欲しがっているのか、分かりやすくなるというわけだ。

続きは「しみマガ」にてどうぞ!

山田直輝が浦和で活躍できない理由 その1

2011年09月30日配信の「しみマガ」より抜粋

 今シーズン、ペトロビッチ監督が就任した浦和は、現時点で15位と残留争いに巻き込まれている。ここからは戦術もへったくれもない。とにかく勝ち点を落とさないために、気持ちを前面に出す試合が続くことだろう。
 しかし、浦和はなぜこのような苦境に追い込まれたのか? 浦和全体に関する総括については号を改め、サッカーライターの川本梅花さんとの対談形式でお送りしたいと考えている。

 今回取り上げるのは、「山田直輝がペトロビッチ体制の浦和で活躍できていない理由」だ。ピッチ外の運営などを含めた話については、総括に持ち越すとして、この号ではピッチ内の現象に絞ってお届けする。

 山田直が活躍できていない理由は、おもに以下の2つに集約される。

●プレーエリアの円が小さい
●運動の量はあるが質が低い

「プレーエリアの円」というのは、キックやトラップが正確にできる範囲、あるいはボールキープなど自分のプレーが落ち着いてできる範囲のこと。山田直はそれが小さい。

 浦和は今シーズン、4-3-3システムで、サイドハーフがタッチラインを踏むところまでピッチいっぱいに広がるという戦術でスタートした。ピッチを広く使うことで、敵のプレスの的を絞らせず、バランスよくポゼッションを高められるオランダサッカーらしいやり方だ。

 ピッチを広く使うことで、1人1人のスペースが広くなるので、原口元気のようなボールをもって違いを生み出せる選手にとっては長所を出しやすい。スペースが広ければ1対1の局面も増え、スピードに乗ってドリブルできる場面が多くなる。それがペトロビッチの狙いだった。原口はスペースの広さを好む、プレーエリアの円が大きい選手といえる。

 ところが、山田直の場合はプレーエリアの円が小さいため、味方同士の距離が遠くなって1対1にさらされると、逆に弱みを見せてしまう。何の可能性も見せることができずに、ボールを奪われるシーンが目立つ。それよりも味方に近くまで寄ってきてもらい、距離感を近くしたコンパクトなエリアの中で、10メートル程度のショートパスをリズムよくつなぎながら動き回る。そんなプレーが得意な選手だ。つまり、山田直はプレーエリアの円が小さい選手ということになる。

続きは「しみマガ」にてどうぞ!
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清水英斗

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