7月5日 湘南−水戸(0−1)
いやぁ、それにしてもすごい人の多さだった。
平塚駅で降りて、ホームから改札に行くまでの道が大行列。もうギュウギュウですよ。
「ついに! 湘南ベルマーレの時代が来たか!」
……というワケではなく、七夕祭りの客でした。しかも、こういう日に限ってナイトゲームだったので、混雑する時間もピンポイントでかぶった。
いつも通りの14時キックオフだったら、サッカーと七夕祭りの両方楽しむこともできそうだったんだけど。しかし暑さのせいか、この時期の札幌ホーム以外はすべてナイトゲーム。まぁ仕方ないね。
さらにお祭りの影響は帰り道にも。ゴミは散らかし放題、エスカレーターはなぜか運休、そしていかにも湘南ヅラした兄ちゃんたちが地べたに座ってギャアギャアわめく。U−20のお祭りだったなあ(笑)。
さて、それより試合のナカミですよ!
オレの中では、この試合の構図は固まってました。それは……
ドイツ帰りの鈴木信貴(湘南) vs オランダ帰りの小澤雄希(水戸)!
おそらく、こんな構図で見てたのはオレだけだと思いますが(笑)。しかも2人とも左サイドバックなので、直接対峙するシーンはなし…。
結局、後半に1点を挙げた水戸が、アウェーでの勝利を収めた。
湘南はここが正念場。J1に昇格するだけのメンバーはそろっていると思うけど、何かが足りない。どこか物足りない。そんな漠然とした印象が残ってしまった。
今日はノブ君(鈴木)の調子が良くないようだった。いつもは精度バツグンの七色のクロスも、あまり思ったところに飛ばないことが多かったみたい。というより、湘南は雨あられのようにクロスを浴びせるけど、あまり得点の匂いを感じさせない。これは中で合わせるほうも含めて、チームの問題かも。
逆にユウキ君(小澤)のほうは好調。オランダ仕込みの確かなテクニックと、豊富な運動量を武器に左サイドから何度もチャンスを作っていた。しかもただの上下動ではなく、ワンツーなどで中央へ切り込んでいくプレーが多かった。日本のサイドバックでこれができる選手って意外と少ないんだよね。世界トップのサイドバックなら当たり前のようにやるけど。
彼らは2人とも、高校サッカーでの輝かしい実績はない。そして卒業後に海外へ渡り、そこでプロ選手になるチャンスをつかんで実績を作り、Jリーグへ自らを「逆輸入」させた選手。
2人の違いは、たまたま選んだ国がドイツとオランダということだけ。
彼らとは、オレがドイツに住んでいたときに知り合いました。
同列に語るつもりはありませんが、オレ自身も日本でサッカーライターへの入り口が見つからなかったため、チャンスをつかむためにドイツへ旅立ったクチ。職業の違いこそあれ、彼らには妙な親近感がありました。
「逆輸入Jリーガー? ふーん。最近多いよね」
そんなふうに思われる方もいるかもしれませんが、
その増えてきている逆輸入Jリーガーの数以上に、向こうのサッカーに揉まれてもがき続ける選手、もしくは夢をかなえることができずに帰国する選手たちを山ほど見てきました。
たしかに欧州リーグには、Jリーグよりも下からのし上がるチャンスは多い。
もともとサッカーのパイが大きいので、プレーするサッカー選手の数も日本より多くなるわけです。
ただし、レベルやサッカースタイルの違いというものは無視できない。
「日本でさえプロになれない選手が、よりレベルの高い欧州で声がかかるとでも思っているのか?」と、手厳しいコーチもいました。いくら芝や環境面が優れているとはいっても、言葉のできない体格の小さな選手が簡単に活躍できるほど、甘い世界なわけがない。
ノブ君とユウキ君は、そんな厳しい世界でゼロから叩き上げてプロ契約を勝ち取った、数少ない日本人選手なのです。
…ただし、逆輸入を果たしたといっても、J2の新人選手に与えられる給料なんてたかが知れています。ユウキ君の愛車は、実家から持ってきた車、そして住居は寮生活。まだまだ彼らも入り口に立っているに過ぎません。(これはオレにもいえることだけど)
まだまだ伸びていくはずです。
純正の左利きによる左サイドバックということを考えれば、日本代表だって夢じゃない。いや、それ以上に彼らのような選手と話していると、彼らが持っている異国経験やプレースタイルが、日本サッカーに足りないものを教えてくれるのでは…と思っています。
今後の2人に注目です。そして成長していく彼らを応援してあげてください!


