ユーロ2008決勝、ドイツvsスペイン(0−1)。スペインが優勝しました。
ドイツを優勝候補に挙げて応援していたオレとしては、すごく悔しくて残念だった。ただ、納得できる敗退ではあった。ドイツもいいチームだったけど、スペインはそれを上回るほどの完成度を見せてくれた。よく考えてみれば、「完成度」なんてキーワードは、今までのスペインにはなかった気がする。どこかヌけていたり、一体感がない印象が強かったんだけど……今回は違ったなあ。
このコラムで倉本さんがいっているとおり、
http://www.soccerstriker.net/html/worldsoccer/k_kuramoto/wsb_03wed_k_kur_080615.html
地方での民族意識の強いスペイン人が、ユーロ2008に向けて一つになっていたなんてことはあり得ない。テレビではスペインが盛り上がっているかのような取り上げ方をしていたけど、それはおそらく首都のマドリードあたりの話なんじゃないだろうか。独立意識の強い、カタルーニャ地方やバスク地方でも同じような盛り上がりがあったとは考えにくい。……もしかしたらお祭り気分でやっちゃったのかもしれないけど(笑)。
そんな国の事情があるにも関わらず、代表チームにあれほどの一体感やまとまりを感じたのは、彼らがユース時代から勝利を積み重ねてきた「勝者のメンタリティー」と、昨年、心臓疾患により、練習中に倒れて22歳でこの世を去ってしまった、プエルタの影響があったんだろうと思う。彼がスペインに足りない、最後のピースを埋めてくれたのかもしれない。
本当にいいチームでした。今回のスペインは。
ドイツびいきのオレも、負けて悔いなし。素晴らしい決勝だったと思います。
ところで……オレはTBSで試合中継を見ていたわけなんだけど、
テレビ側の意図として、「攻撃のスペインvs守備のドイツ」みたいな図式にムリヤリ持ち込もうとしてるのに苛立った。そんな試合じゃなかったでしょ……。むしろドイツの守備はマジでザルですよ。センターもサイドもひどいもんだ。ドイツワールドカップのときから10試合以上を見てきたけど、ディフェンスは常にザルだった。
さらに、ボール支配率はドイツが51パーセントで、スペインが49パーセント。実はドイツが上回っていたわけなんです。
にも関わらず、作ったチャンスの数は明らかにスペインのほうが多かった。
ということは、図式としては、「ボールを持ちながらも攻めあぐねたドイツ vs ボールを持ちながら効率的に攻めたスペイン」というほうが正しいと思うんです。
ドイツはパスを回しながらも、「さあここから」という相手の危険ゾーンにパスを出したところで、スペインのプレッシャーを受けて攻め切れないシーンが目立った。ドイツがスペインの守備網をかいくぐることができたのは、シュバインシュタイガーとバラックだけ。この2人にしか可能性を感じなかった。
と、ここまで書き進めて、また驚くわけです。
なぜならドイツというのは、世界でもっとも攻めあぐねることのない国……形が作れなくても攻め切ってしまう……そんなイメージが俺にはあったわけです。この決勝ほどチャンスが作れないことなんて、本当に稀有。
また、逆にスペインに関しては、世界でもっとも攻めあぐねる国……効率とは程遠い。そんなイメージがあったわけです。ところが、決勝に関しては全てくつがえされてしまった。これは驚きです。
フィジカルだけのドイツとか、イージーなくくりにしたがる人も多いですが、そういう偏った見方は、時代の流れに取り残されているんじゃないでしょうか。
ドイツもスペインも、かなり変革してきています。もちろん、変わらない部分もありますが。
ユーロ2008は本当に味わい深くて、面白い大会だったなあ。
現場で、この目で見たかった……。
そんな悔しい気持ちもすべて、北京五輪とワールドカップ最終予選にぶつけます!


