オシムが少しずつ回復に向かっている。本当に良かった。
以前にこのブログでも書いたけど、
オレの中では、オシム就任のいちばんの不安要素は、体調の不安だったから。
第一報を聞いたときは、「とうとうこの日が来てしまったか……」と思った。
実際、オシムが指導する代表の練習を見たりして、「この人はすごいな」と彼に対して尊敬の念を感じていただけにショックは大きかった。
だからこそ倒れたと聞いたときも、このブログであれこれ書く気にはならなかったんだけど、ようやく体が回復に向かいつつあり、さらに後任人事も進んでいるということで、ついにこのネタに触れてみる。
「岡ちゃんでいいのか? 日本代表」
周りの反応を聞いてみると、おおむね良好。
やはりフランスW杯に導いた実績と、岡ちゃんのキャラクターへの好感も手伝って、こういうことになっているのだろうか。まさに協会の狙い通りだとオレは思う。
そもそも今回の後任人事には、3つのポイントがあったと思う。
1.オシムのやり方を引き継ぎ、日本人らしいサッカーをめざす監督
2.2010年南アフリカW杯の予選を勝ち抜ける監督
3.マスコミ、ファンが納得する監督
ちなみにこの「1.2.3.」の並びは、オレが重視すべきと考えている順番。ところが今回の人事はこんな感じだと思う。
1.2010年南アフリカW杯の予選を勝ち抜ける監督
1.マスコミ、ファンが納得する監督
3.オシムのやり方を引き継ぎ、日本人らしいサッカーをめざす監督
「日本人らしいサッカー」を構築する作業は、まさに今、絶対にやっておかなければいけないこと。これが国の基礎になるわけだから。長期的にみれば、たとえ南アフリカW杯の出場を逃がしてでも、やり遂げなきゃいけないことだとオレは思う。
しかし、岡ちゃんには岡ちゃんの考え方があり、オシムを引き継げというのも無茶な話だ。そもそも、オレのイメージでは、岡ちゃんのサッカーはポリバレントとは間逆の印象がある。
そういう意味で、オレが願う後任監督は、
「大熊氏、反町氏など、オシムにコーチとしてついていた人物の昇格」だった。
そもそもオシムは、日本人の指導者を育成するという意図があって、あえてコーチを全員日本人にしていたはずだ。その意図を汲まないのはどういうわけか。
一度、コーチの誰かを臨時監督にしつつ、シーズン終了後にさらに適任の外国人監督を探す。それがオレの考える最良の策だった。
ただし、「マスコミ、ファンが納得する監督」には反すると思うけど。「コーチが監督ぅぅ??」と身内から連れてきたような手頃感がみんなをガッカリさせてしまうだろう。
さらに、日本人らしいサッカーをめざしながら、アジアの予選を戦うことにはリスクが伴うと思う。相手のスカウティングをしながら、戦術をガチッと型にはめてやっていったほうが、現状では勝ち抜く可能性が高い。
でも、そのサッカーでは、世界に出ても勝てない。
アジアで体験したことのない圧倒的なフィジカル、テクニック、スピードに蹂躙され、またドイツW杯の悔しさを再び体験させられるだけだ。
ヤツらに対抗する手段はひとつ。
日本の新しいスタイルを構築して、ヤツらが体験したことのないサッカーでヤツらを蹂躙すること。その礎をオシムは築きつつあったと思う。
日本の目標はなんだ???
アジアの予選を勝ち抜くこと?
いや、もうそんな段階じゃないでしょ。
2002年のベスト16を越えるベスト8。
当然、これが目標。
岡ちゃんなら、きっとW杯予選を勝ち抜いて南アフリカに連れていってくれると思う。それができる人だと思う。でもその先は……???
アジアの予選を勝ち抜くのにベストのサッカーが、
世界の頂点をめざすためのサッカーか???
オレは否だと思う。
オシムが就任したこと、いや、オシムに限らず外国人監督が就任することのメリットは、「彼らは世界のサッカーを熟知している」ということだと思う。これはすごく大きい。
「これでは世界に出ても通用しない」ということが判断できるからだ。
さらにオシムの場合は、ジェフ時代の経験から、日本のサッカーにもついても経験があった。そういう意味では日本代表を任せるにはベストの人材だった。
オレは人間の性アホ説を信じてますからね。
アホというか、人間は忘れっぽい。
継続することが苦手ですから。基本的に。
今はみんながオシムの言葉、「人とボールが動くサッカー」「考えながら走るサッカー」に心酔して、誰もが右へならうようにキーワードを並べているけど、
半年後にはきっと、
「頭はクールに、心はホットなサッカー」などに変わっているに違いない。
人間は飽きっぽくて浮気モノなんです。
オレだって絶対にそうならないとはいえない。
だからこそ、コーチ昇格 → オシムの息のかかった外国人監督、という流れでガチッと「日本人らしいサッカー」への方針を作っておけば……とオレは思う。
何とか、オシムが取り組んだことが無にならないようにしたい。
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