アジアカップ、U−22日本代表戦、U−18クラブユース選手権と、最近の試合取材を通して感じたこと。
日本のサッカーには、『瞬間力』が足りないんじゃないか。
90分という時間を配分して戦ったり、広いスペースを使って攻撃を組み立てられるのは、日本サッカーのスタイルだ。技術の足りない選手にはできない。
ところがボールを回して主導権を握ることができるので、日本の選手はゴールの可能性を極限まで高めてからシュートを狙う傾向がある。
サッカーは対戦相手がいるスポーツ。
相手の守備がしっかりしている場合、ゴールの可能性は50%までしか高まらない局面もたくさんあるだろう。それでも強引に可能性を80%まで高めようとしている感じがする。
つまり、「いちばんオイシイ瞬間を見極める力が足りない」ということ。
それは判断基準だけでなく、気持ちの面でも感じる。
かなり前の話になるが、ある代表戦で日本が決定機を外したとき、当時解説だったラモスはこんなことを言っていた。
「なんでシュート打つときぐらい、100%ボールに集中できないんだヨ!」
今、あの言葉を思い浮かべると、妙にうなずけてしまう。
攻撃に限らず、現在の日本人選手の傾向として、
「いちばん大事な瞬間にすべてを賭ける気持ち」が致命的に欠けているような気がする。
『大事な瞬間』とは、もちろんゴール前もそうだし、1−0で勝っている試合の終了間際なども当てはまる。
それはキャプテン翼の松山光における、
「ここだ! ここで決めるんだ!」という感覚だったり、小動物がライオンの接近を感じて、その場を離れるような動物的感覚にも近い。
そういう感覚を、最近の、特に若い選手からは余り感じない。
日本代表はミドルシュートを打たない、バイタルエリアまで持ち込んでも決定機を作れないとよくいわれるけど、
そういう状態もすべて、「瞬間力の欠如」に起因している気がする。90分を全部同じリズムでプレーしていて、力の緩急が少ない。
いちばん大事な瞬間を見極めて、そこに自分のすべてを賭ける力。
時間帯を支配するのと、瞬間を支配するのは、同じ時間でもまったくエッセンスの違うことだと思う。
『瞬間力』を養うことを、僕はこれからの日本代表に期待していきたい。


