題材はサッカーだけど、日本の教育システムにも関係が深いんじゃないかと思う今日のコラム。
仕事上、海外サッカーとJリーグのどちらかに偏ることなく、両方を見る機会が多いのだが……
海外サッカーのあとに日本のサッカーを見ると、テクニックの幅の狭さがひどく気になる。
たとえばキックの種類だ。
J2湘南ベルマーレDF、鈴木伸貴に聞いた話を例にしてみる。
※鈴木は高校卒業後にドイツへ渡り、ドイツの2部・3部リーグでプロ選手として活躍したのち、今季は逆輸入Jリーガーとして湘南ベルマーレに加入した。
ちなみに2部・3部のチームと日本代表や浦和レッズが何度も対戦しているが、結果はドイツ側が優勢らしい。下部リーグとはいえ、レベルは決して低くない。
「日本ではFWに対してクサビのパスを入れるとき、インサイドでグラウンダーのパスを出すか、インフロントで浮き球のフワッとしたパスを出すか、ほぼこの2種類しかない」
「しかし、ドイツではインステップを使って低くて速いグラウンダーのクサビをよく使う」
クサビのパスが速く入れば、DFはインターセプトが難しくなるし、そのパスを受けたFWもプレー時間に余裕ができる。鈴木はこのパスを得意とし、湘南の左サイドから速いクサビを入れてビルドアップに大きな貢献をしている。
もちろん、よ〜〜く見ないと気付かないマニアックなところではあるけど。
日本ではグラウンダーパス=インサイドキック、浮き球パス=インフロントキック、シュート=インステップキックといった具合に、ガチガチの認識がされているように感じる。
速いパスが必要なときはインステップを使ってもいいし、早いタイミングでクロスを上げたいならアウトサイドで蹴っても全く構わない。
事実、海外ではそういうプレーは多いのだが、日本では「邪道だからやめなさい」と指導されてきた人は多いんじゃないだろうか。
そういった指導は、確実に日本人選手から思考力を奪っているに違いない。最近は少なくなっているかもしれないけど。
……といいつつ先日、サッカー素人の相方と多摩川でボールを蹴っているときに、
「パスは、インサイドを使ってこうやって蹴るんだよ」
「これはインステップキックっていって、シュートするときに使うんだよ」
と教えてる自分がいた。
でも、こう言うべきだった。
「正確なボールを蹴りやすいインサイドキックは、こうやって蹴るんだよ。強いボールを蹴りやすいインステップキックは、こうやって蹴るんだよ」と。
教えたことをパスに使うかドリブルに使うかシュートに使うか、それは本人が考えて決めればいいこと。
知らない間に、相方のプレー選択権の自由を侵害しているオレがいた。
…反省。
どうしても教えたがり人間は、余計なことまで教えてしまう。そこを考えるのがサッカーの面白さでもあるのに。
「創造性のあるプレーが必要だ」なんて言うのは簡単だけど、
意外とみんな、侵害してるほうに回ってるんじゃないかなぁと思った。


