【U-21日本代表vsU-21中国代表 10/25】
2−0(1−0)
得点者:梶山、平山
2008年北京五輪へと続く、U-21日本代表チーム。
今日は日中韓で行われる交流親善試合の1試合が行われた。
前半、日本の1点目は素早くボールを運んだカウンターによるものだった。DFからのクリアボールをMF苔口が絶妙のコントロールでマイボールにし、左へサイドチェンジ。そこへ後ろから走りこんだMF増田が、左サイド深くから切り返して右足でクロス。
「平山を狙って蹴った」というクロスは、マークに付かれていたFW平山の頭上を越えてフリーのMF梶山の元へ。これをヘディングで押し込んで日本が先制した。
後半の2点目は、積極的に上がり続けたMF中村のクロスを平山がGKと交錯しながらゴール。手に当たったようにも見えたゴールだったが、判定はショルダーシュートということでセーフ。日本は2−0で、A代表メンバーの加わった中国を破った。
組織されたディフェンスは合格点
この試合で僕がもっとも感じたのは、組織ディフェンスの素晴らしさだった。相手がサイドにボールを運んだら、そこをMF3人が空間をギュッと縮めて囲む。攻守の切り替わりで、小さく守って広く攻める全体の動きが良く出来ていたように思う。ジーコジャパンとは雲泥の差である。
3−5−2という陣形もこのチーム(というより日本人)に良く向いている。1vs1のDFに難のある日本の場合、世界の主流であるフラットな4バックはリスクが大きい。サイドバックが抜かれたりセンターバックが競り合いに負けると、マークが後追いになってズレてしまい、チャンスを作られてしまうからだ。
この日は、常にセンターDFの伊野波が1枚余ってカバーリングにあたることで、ディフェンスも積極的にボール奪取をかけることができ、マークのズレも少なかった。組織的にはディフェンスは良い出来だったように思う。(個で組織を崩すほどの選手が中国にいなかったことも大きいが)
そして逆に出来なかったことは、反町監督が以前から課題に挙げていた「後ろからのビルドアップ」だった。カウンターや、素早い攻守の切り替えから何度かチャンスを作ったが、日本主導の流れで攻撃を作り出したとは言いがたかった。ダイレクトではたく意識が強すぎて、タメを作ってパスワークに安定をもたらす選手がどこにもいなかった。
また組織的に守れたというものの、まだまだ個々の対応にマズい所はあった。局地戦での当たりの激しさが足りず、たまたまボールが危険なところにこぼれなかったものの、一つ間違えばつま先でチョンっとつつかれるだけでゴールのようなシーンは多々あった。この問題は今後更なる強豪と対戦したとき、失点という痛みを伴って表面化するだろう。
トルシエ時代に似たところ、似てないところ
この3−5−2で、ゾーンを狭くしてボールを奪い、素早くカウンターをしかけるやり方はトルシエ時代の戦術に良く似ている。しかしあのときと大きく違うのは、今回のU-21には非常にスペシャリストが多いことだ。
2002年、トルシエが敷いた3−5−2には非常に多くのコンバートがあった。本来ボランチの中田浩が左センターバック、右利きの小野が左ウィングバック、ボランチの明神が右ウィングバックといった具合だ。トルシエは各選手に2〜3のポジションをこなすことを求め、それをチーム作りに生かしたのである。
ところがU-21日本代表はやや違う。ボランチの伊野波をセンターバックに置くものの、中村、梶山、青山、本田など、他のポジションの選手を見ると「スペシャリスト肌」の印象を与える選手が多い。
スペシャリスト故に、攻撃での創造性に物足りない面はあったが、与えられた役目を忠実に全うするU-21選手たちは、非常に「日本人らしいサッカー」を体現していたように思う。ベンチで観戦したオシム監督は、この試合をどう見ていたのだろうか。
さて、次の韓国戦(11/21)。
特にビルドアップと、局所での1vs1の安定感に注目して観戦したいと思う。


