2005-2006チャンピオンズリーグ
決勝トーナメント 1st reg
チェルシー vs バルセロナ(スタンフォードブリッジ)
1−2
前から言われていた通り、スタンフォードブリッジの芝状態はかなり悪かった。グラウンダーパスを基本とするバルセロナとしては容認しがたい状況だ。そのため芝の張り替え要求を出したが、結局それは叶わなかったようだ。
つらぬいたstyle
バルセロナにとって芝の悪いピッチでサッカーをすることは、陸に上がってしまった魚、SMAPに入れなかった稲垣吾郎、もしくは漫画の描けない蛭子能収のようなもの。
そんな不利なグラウンドコンディションだけに、普段よりもショートパスやドリブルを減らしてロングパスで一気に裏を突きたいところだ。なぜならば、イレギュラーの多いグラウンドではショートパスやドリブルの正確性が激減してしまう。そしてイレギュラーバウンドという予期しないボールの奪われ方をすることは、そのまま自ゴールの危機にもつながる。そのため普通のチームならば、ロングパスの比率が増えることは当然の選択なのだ。
ところがバルセロナは違った。グラウンド状態に合わせることなく、ショートパスでつなぐ自分たちのスタイルを優先した。そしてその代わりいつもよりパススピードを弱くし、丁寧なトラップを心がけていた。
ボールを見ている時間が長くなるので視野が狭くなってしまい、普段ほどのスペクタクルな攻撃ではなかった。パフォーマンスこそ落ちたものの、バルセロナは自分たちのスタイルをつらぬくことで勝利を収めた。
直接得点には絡んでいないものの、FWメッシのドリブルが切れていたことも大きな要因だった。彼が危険なドリブルを繰り返すことでチェルシーディフェンスを裏へ引きずり、中盤にスペースを作ってパス回しに余裕を与えていたのだ。
苦手な芝の上で、最強のライバルに勝ったバルセロナ。
勝利に値するすばらしいチームだった。
つらぬいて欲しいstyle
この試合、バルセロナの勝利という結果に大きく起因したのはもう一つある。チェルシーの左サイドバック、デル・ホルノの退場である。
彼はマッチアップするメッシに対し、足の裏でヒザをスパイクするなど危険なタックルを繰り返していた。そして前半35分過ぎ、ついにフットボール違いのアメフトタックルをぶちかまして一発レッドカードの退場となった。
デル・ホルノの退場は正当だったと思う。彼はメッシとは違う意味で危険な選手だった。相手を壊すタックルをする選手を許すわけにはいかない。
ただし自分が気になったのはアメフトタックルを受けた直後のメッシの態度。国際映像でも繰り返しリプレイしていたが、倒れ込んだメッシはファウルの笛を確認したあとで突然痛がり始めた。必要以上に痛がることでレッドカードを誘導しようとするプレー、いやこんなものはプレーとは呼べない。メッシだけではなく様々な選手がこれを真似するが、本当に良くない振る舞いだと思う。
こういった演技が紳士的でないことはもちろん、一番マズいのは本当にケガをしてしまった選手を見極められなくなることだ。
あのとき審判が取るべきだった裁定。
それはデル・ホルノへのレッドカード、そしてメッシへのイエローカードだったのではないかと思う。


