イギリスでは外国人監督ばかりがもてはやされていることに、イギリス人の監督たちが不平不満を言っているらしい。
そのことに対して、ジョゼ・モウリーニョが噛みついた。
「英国人の監督が『なんで俺じゃなく奴らなんだ?』とコメントしてるのをよく目にする。まったくバカらしくて笑えてくるね。敬意のかけらもないよな。ベンゲルはなぜアーセナルの監督に就任したんだ? 素晴らしい結果を残してきたからだ。モウリーニョはどうしてチェルシーの監督に就任した? 素晴らしい結果を残してきたからに決まっている」
普段口喧嘩ばかりしているベンゲルを持ち上げたことが意外だった。まぁこういった傾向はどこの国でもあること。日本でもオシムやシャムスカの功績にはすぐに「マジック」という言葉が飛び交うが、西野朗など日本人監督の場合には手法が取り上げられることすら少ない。
ただ外国から来た監督の場合、「自国の監督とは違ったことをやってくれるはず」という期待が込められている分、扱いが大きくなるのは当たり前でもある。
…とまぁそれだけのことだけど、面白いのはモウリーニョ発言のその続き。
その一方で、選手や監督にとってイングランドは最高の環境であるとも語り、プレミアへの愛着を強調した。
「イングランドのファンは世界一だ。それに他国では考えられないことがイングランドでは起きる。対戦相手に拍手を送ったり、満員の観客の前でビッグクラブとアマチュアチームがカップ戦を戦ったり。PKをもらおうとダイブする選手が味方選手からブーイングされるのもイングランドだけだ。まさにプロにとって最高の環境だ」
イングランドには「自分たちがサッカーの祖国」というプライドがある。それは代表チームが強いかどうかではなく、こうした環境に宿っているんだろうなぁと思う。
皆さんご存知の通り、最初にサッカーが生まれたのはイングランドである。当時はルールが全く整備されず、手を使うラグビー風、手を使わないサッカー風など地方や環境によって全く違うルールが存在し、その全てを「フットボール」と呼んでいた。それをルール整備によってハッキリ分け、ラグビーとサッカーが誕生したのである。
(スポーツナビに詳しい特集があるので、興味がある方はどうぞ)
対戦相手に拍手を送るのもすばらしい。
満員の観客の前でビッグクラブとアマチュアチームがカップ戦を戦うのは、もっとすばらしい。
だが俺が一番驚くのは、
「PKをもらおうとダイブした選手が味方選手からブーイングされることだ。」
味方選手をブーイング?
果たして俺にそんなことができるだろうか?
良くない非紳士的なプレーだと分かっていながらも、チームの勝利のためにダイブした味方のストライカーを、毅然とした態度で叱ることができるだろうか?
黙っていればPKで1点取れるかもしれない…。そんな邪な心に支配されることを俺は否定できない。
サッカーを馬鹿にすることは許さない。
敬意を払わない選手は、サッカー選手ではない。
自分の想像だが、これを頑固に守ることがイングランド人にとっての「祖国のプライド」なのではないかと思った。


