海賊王サッカーコラム
 俺はもう二度と負けねぇ! 文句あるか、海賊王!

高原、リーグ戦初ゴールで勝利に貢献!

おめでとう!!!
スタジアムではものすごい仏頂面で観戦していたので、やっと笑顔が戻るかと思うと何となく僕も嬉しい。奥さんいい人らしいしね。


0−1と先制された後半、ブンデスリーガ強豪のレバークーゼン相手に、FKから同点に追いつくヘディングシュート。さらにフランクフルトは2点を追加して3−1で勝利。高原はフル出場を果たした。


「ここでは自分に合うタイミングでいいパスが出る。自身のよさを発揮しやすい。ようやく自分に合ったチームと巡り合えた」と語る高原。


どうやらオールアバウト記事、当HP記事で僕が展開した「フランクフルトのサッカースタイルは、高原にマッチする。」という持論は、今のところ当たっているようでホッとしている。


ただし、この結果はエースFWアマナティディスを含む7人ものケガ人が続出したチーム状況によってもたらされたものだと再確認しなければいけない。7人も選手がいなくて試合に出られないわけがない。出場できて当たり前の試合にフル出場しただけのことである。


本当に難しいのは、継続すること。


事実、キッカー紙も高原を決して手放しには褒めていない。
前半27分にビッグチャンスを外していることもキッチリと指摘し、苦しんだ末の移籍でこれ以上ドイツには高原の居場所がないことにも言及している。


親善試合のドイツ代表戦で2ゴールを挙げておきながらW杯本大会でダウンしたイメージも影響しているのかもしれないが、そんな逆風もはねのけてフランクフルトを盛り上げて欲しいと思う。


そして稲本・小笠原同様「ゴールデンエイジ」の復権には、僕も心から期待している。何を隠そう、僕もゴールデンエイジですから。

裏レポート【日本代表ドイツ戦】

「I walk in the stadium! So, let's take a cab with me!」
私はスタジアムで歩きますから、タクシーに一緒に乗ろう???
レバークーゼン駅で話しかけた美しい女性は、その外見とは裏腹にとんちんかんな答えを返してきた。


僕が他の街のスタジアムに行くときは、場所の下調べをせずに現地で人に聞いて行くことにしている。敢えてそうするのは現地の人と交流を持ちたいから、などというジャーナリストらしい理由ではない。正直に言おう。めんどくさいからだ。


レバークーゼンで行われた日本代表ドイツ戦の場合も同様だった。ところがこの日は少し勝手が違い、話しかけた女性から意味不明な回答をいただいてしまった。仕方がないので、
「OK!OK! Danke!」
とやり過ごして、地図を探して歩き出そうとした瞬間、
その女性はふたたび僕を呼びとめ、タクシーに乗れと促してきた。しかも、
「お金は私が払うから」と言う。


この時点でやっと僕は気付いた。
「I walk in the stadium」ではない。「I work in the stadium」だったのだ。
彼女は普段はケルンに住んでいて全く違う仕事をしており、今日はVIPサービスのヘルプでレバークーゼンに呼ばれてきたらしい。
ベタな聞き間違いに恥ずかしくなりながらも、運よくタクシーにタダ乗りできたことに感謝しながらスタジアムに向かう。


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スタジアムに着くとまだゲートも空いていないのに、ものすごい数の日本人がたむろしていた。国旗をマントのように背負う人、中にはきっちりコスプレをして参上し、狙いどおり(?)海外プレスの注目の的になっている人もいた。


プレス入り口に向かうと、予想以上に多くのテレビ・新聞記者が日本から来ていた。マスコミだけではない。実際に席に座ると、周りには北沢・武田・前園・福田といった懐かしい面々が次々とやってくる。どうやら、この試合の注目度は想像以上に高かったようだ。駅からタクシーをゴチになったVIPサービスの女性のように、別の街からヘルプに来なければならない事情にも納得だ。


記者席ではしばらくブラジル人記者と雑談を楽しんだ。日本の印象を聞くと、
「オーストラリアは当たりの激しいサッカーをするが、日本のサッカーはスピードが速い。おそらくオーストラリアには勝てるだろう。クロアチア戦は難しいだろうけどな。」
Jリーグにやってきた多くのブラジル人選手が語る通り、やはり海外の日本サッカーに対する印象は、「速い」に集約されるようだ。
Q「じゃあ、日本vsブラジル戦はどうだい?」
「コンフェデのことがあるからな。結果は分からないよ。それに日本にはジーコがいる。俺たちの世代は、選手としてのジーコを見ながら育ったんだ。ペレはブラジルの英雄だけど、俺たちのヒーローはジーコなんだ。」


そんな愛されたヒーローだけに、
日本代表監督就任後、この4年間でジーコの頭髪をずいぶん傷つけてしまったことに心が痛む。4年前はもう少しフサフサだったのに…。やはり解任劇などは相当なストレスだったのだろうか。


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さて、試合の方は2−2の引き分けに終わった。それはドイツにとって散々な内容だったのだが、にも関わらずバラックは余裕の表情でインタビューに答えていた。もしこれが日本だったら、インタビューを拒否して帰ってしまう選手が多発しそうなのだが…。単純にテクニックや戦術云々ではなく、海外の選手に学ぶべきことはたくさんあるのではないだろうか。そして下は日本の王様のコメントの一部。


Q「今日の試合で出来たことは何か?」
「見てのとおりです。」
Q「宮本選手と何か話していたようですが?」
「それは個人的なことなので、言う必要はありません。」


中田らしいなとクスッと笑えるこんな受け答えも、コメントを取ろうと躍起になっている新聞記者には全く笑えないものだったようだ。バスに乗り込もうとする選手を呼び止めてインタビューする記者たちも、なぜか中田が通りかかったときは声をかけるのに二の足を踏んでいる。そんなとき…
「ヒデ!」と声が飛んだ。
その声の方向を振り向くと、それは前園だった。中田と前園は笑いながら抱き合って、プライベートな話を楽しんでいた。僕はその姿を見て、「ヒデ〜。ゾノ、行くか!」の日清ラ王を思い出してしまった。(なんて呑気なジャーナリストなんでしょ…)


そして帰り道、僕は観戦に来ていたドイツ人夫婦に道を聞き、そのまま試合の感想をしゃべりながら歩いていた。
「今日は2−2だったけど、日本はほとんど勝ったような気分じゃないのか? 3点目が入ってても不思議はなかったしな。」
その通り。日本にとって本当に良い試合ができた。教訓も含めて。
Q「途中、ノボトニーが出てきたよね。彼はあなたたちレバークーゼンの人間にとってヒーローかい?」
「ノーノー。シュナイダーだよ。彼はすごいテクニックを持つ選手だぜ。今日は右サイドバックで使われたけど、本来ディフェンスの選手じゃないよ。」
Q「なんでディフェンスで出たんだろうね?」
「分からないよ。監督がイカれてるからじゃないのか? バラックがレバークーゼンにいた頃は、バラックとシュナイダーの中盤が本当にすごかったんだぜ。たぶんW杯、ドイツは3敗するよ。そして新しい監督がやってくる。」


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シュナイダーと言えば、キャプテン翼に出てくるファイヤーショットを打つパワー型FWを思い出してしまうが、現実のシュナイダーは彼とは正反対に正確なキックを得意とするテクニシャンタイプだ。共通点は、ディフェンスには向かないという所だろうか。


それはさておき、やはりスタジアムで見るとダイレクトに面白さが伝わる。後半のドイツ人サポーターの神経質な反応も面白く、柳沢と高原が動き出しでドイツDFを翻弄していることがハッキリ分かり、またテレビの前では絶対に味わえない出会いや興奮がそこにはある。


「世界の友よ、ドイツへようこそ」

ついにエンジン点火? 日本代表ドイツ戦より

今日はレバークーゼンまで、ドイツ代表vs日本代表の試合を取材に行ってきた。色々と書きたいことだらけなんだけど、まずは肝心の試合内容について語っときやす。つーか、ここでサッカーについて語るの久しぶりな気が…。
ええい! とりあえず、はじまりはじまり〜!




僕はまず、ジーコと日本代表に謝らなければならない。なぜならば試合前、僕はこのゲームを1−3、もしくは1−4でボコボコにやられると予想していたからだ。


ドイツというチームは、前からの組織的プレスがとても上手い。そして攻撃の爆発力がある。それを考えると、後ろからのつなぎに固執する日本のビルドアップは、ドイツのプレッシャーに捕まって失点するリスクを常に背負ってしまう。実際、日本と似たタイプのチームであるアメリカは1−4でドイツに負けているのだ。


しかし、僕の予想は大外れだった。
それでも敢えて言わせてもらう。いつもの日本代表、ボスニア戦やキリンカップあたりの日本代表ならば、絶対に1−3、1−4の大差で負けていたと。


試合後、選手たちは口をそろえてこう言う。
「今日は、しっかりと出来たことがあった。」
2失点を反省しつつも、彼らの口からは明らかな自信がにじみ出た。


そう、今回の日本代表には明らかな成熟の跡が見られたのだ。


【ドイツ代表】−【日本代表】 2−2
(57分、65分) 高原
(77分) クローゼ
(79分) シュバインシュタイガー


【1】ボールを奪う場所の明確化
今回、これがハッキリと見えたのが非常に大きい。
ボールの獲り所を低めに設定し、中盤でボールを奪うのではなく、中盤とDFの間でボールを奪うようにしていた。中盤ではある程度パスを回させ、相手のFWにボールが入った瞬間に2、3人が猛然と襲い掛かる。もちろんそこを突破された場合はピンチになるわけだが、ラインを高く保ってコンパクトにすることでプレスがかけやすくなり、リスクは大きく軽減している。そのため、クローゼやポドルスキに対するプレッシャーは相当にきつく、彼らは流れの中で仕事をすることがほとんど出来なかった。


【2】1タッチ、2タッチのスピーディな攻撃
上記のようにボールの獲りどころを低い位置に設定したとき、問題となるのは攻撃に時間がかかってしまうことだ。低い位置でボールを奪う=低い位置から攻撃を始めなければいけない、ということになる。守備のリスクが軽減される代わりに、攻撃にも工夫が必要になるのだ。
そして日本はその欠点を、1タッチ・2タッチの素早いパスを使って見事に解消していた。1点目の中村が出したパスを中田がスルーし、柳沢がダイレクトでディフェンスの裏へ出して、高原が落ち着いて決めたシーン。あれこそ、まさに象徴的なシーンである。この攻撃の基点であった中村は、自陣深くからパスを出している。そしてそれを柳沢のワンタッチのみでスピーディにゴール前まで運んだ。
ちなみにこれは、前任者のトルシエが取った戦術とは全く逆の考え方である。
2002年日韓W杯から4年が経って、「高い位置でボールを奪って素早く攻めるチーム」から、「低い位置でボールを奪っても素早く攻められるチーム」に成長したと言える。


【3】中田、中村、福西からの大きな展開(サイドチェンジ)
特に駒野が入った後にこのプレーが目立つようになったが、前半からも大きなサイドチェンジを使って効果的にボールを展開できていた。ドイツがこういった大きな揺さぶりに弱いのは周知の事実だったが、それを可能にしたのは中田の中央でのキープ力である。中村は良いパスもあった反面、相手に体を入れられてボールを奪われるシーンも目立ったが、中田は危ないシーンもなく効果的にパスを展開して格の違うプレーを見せていた。ジーコが言う「個を生かす」という意味では、これ以上の選手はいないのではないだろうか。


【4】高原・柳沢。FWのコンビネーション
まずは個々が素晴らしかった。
遠藤が「レーマンがあんなにポジショニングのいいキーパーだとは思わなかった。高原は、あそこしかないという所に蹴り込んだ。」と語るとおり、高原の2ゴールはどちらも決して簡単なゴールではなかった。しかしそれをキッチリ決めたことは非常に素晴らしい。
柳沢に関しても、ケガ明けのコンディションが心配されたがそれは全く問題ないようだ。むしろ、キレキレの動きを見せていたほどである。2人がボールを簡単に奪われずに前線で受け手になれたことが、攻撃のビルドアップを助けた。
そして特筆すべきは、その2人のコンビネーションである。
高原曰く、「あと一本のラストパスが繋がっていないから前線の早い動き出しでそこを作っていこう。」とハーフタイムに話し合ったとのこと。その甲斐あってか、FW2人の連携は非常に良かった。クロスして裏に飛び出したり、柳沢がスルーしてワンツーを受けたりと、ドイツDFメルテザッカーらにヘディングでは劣ったものの、彼らをあざ笑うかのような小気味良いプレーが多々見られた。この2人は元々、決定力はないものの決定機は数多く作ることができるコンビだった。それにゴールという結果が付いたことで、どうやらオーストラリア戦のスタメンFWは固まってきたと見るべきか。


ただし、やはり反省しなければいけない面もある。


後半、特に2点目を奪った後にDFラインに5人引いてしまい、その前のボランチのスペースを好きに使われたのは日本の悪いクセだ。前半コンパクトに保って支配したスペースを、自ら敵に明け渡してしまっていた。2点目を奪って点差に余裕ができたあと、同じようにプレッシャーをかけて3点目を狙うのか、ラインを下げて相手にパスを回させるのか、その辺りの意識統一がなかったように感じた。


たびたび課題で挙げられるFKでの失点だが、宮本は「危険な位置でファウルをしないこと。3点目を取っておくこと。」と言うが、それは毎度同じことを繰り返しているように思う。FKの対応に関して言えば、まずは単純にマークが弱いように感じる。世界のDFはもっと激しくガンガン当たってきているが、日本のDFは実に紳士的だ。相手がマークをずらすためにクロスして入ってきたときの対処も、もう少し練習する必要がある。
無理だと分かってはいるが、2点リードした場面でチャンピオンズリーグ決勝のバルセロナのような時間の使い方ができればなぁ…と思ってしまう。




試合後、僕は現地ドイツ人記者とこんな話をした。
「ドイツにとって、引き分けはラッキーだったよ。終盤の日本のチャンス(中田のスルーパスで大黒が1:1になった場面)を決めていれば3−2だった。日本はまるでボールが友達のようなサッカーをするね。ドイツにとってボールは敵さ。戦って蹴り飛ばす対象だからね。でも本当に日本はいいサッカーをしていた。決勝はブラジルと日本だったりしてね(笑)」


若干リップサービスも頂いたが、彼らも日本のサッカーを認めてくれたようである。そして、流れから素晴らしい2点を取ったことに浮かれないための、苦い2失点をプレゼントしてくれたドイツに、心から感謝したいと思う。


そして次号のキッカー紙、ビルト紙がどれだけドイツ代表とクリンスマンを吊るし上げるか…想像しただけでも恐ろしい…。

サンパウロ X リヴァプール X 真のマリーシア 【トヨタカップ決勝】

ブラジル代表は試合の流れ、心理的要因をコントロールするのが巧い。
5年くらい前になるだろうか。
日本がブラジルと親善試合をしたとき、ブラジルは開始直後からとても90分間続けられないような激しいプレスを仕掛けてきた。そして名波がボールを奪われ、そのままゴールを決められたのを強烈に覚えている。相手がブラジルということで、まだ動きの硬直が解けていない日本をあざ笑うかのようだった。
あのとき、あのゴールを決めたブラジルの選手。
その名を"アモローゾ"という。


トヨタカップ決勝
サンパウロvsリヴァプール(1−0)


開始20分までは、お互いにリスクを冒さない慎重な戦いが続く。だが突然、サンパウロはそのギアをハイトップにチェンジした。リヴァプール陣内に3人が入ってフォアチェック。全員が連動してパスコースを切っていき、イヤらしく効果的にボールを追い回して相手のミスを誘う。高い位置でボールを奪い、速攻を仕掛けようとするチーム意図があった。
そんな中でもリヴァプールの攻撃を組み立てた、"シャビ・アロンソ"はさすがだったが、サンパウロの戦略は徐々に効果を産み出していく。


ボールを奪ったら、余計なパスをつながず一直線にゴールに向かう。グラウンダーのパスで美しくつなぐリバプールに対し、サンパウロは足の甲に乗せて浮かすパスを多く使い、フィールドを立体的に攻めていく。リヴァプールのDFも、グラウンダーにこだわらない南米スタイルのパスにやや戸惑っていたのかもしれない。


そんな展開から、この試合ピッチを激しく動き回った"ミネイロ"が抜け出してゴールを決めた。パス&ゴーで裏へ走り出し、DFライン上で急ストップ。そしてパスが出ると同時にスタートしてオフサイドをかいくぐることに成功。シュートも落ち着いて、右に蹴るようなフェイントから左へ流し込む。アッサリ決めたように見えるが、じつは幾多もの駆け引きを乗り越えた"ミネイロ"の2列目からの飛び出しだった。


1点を取ってからのサンパウロは明らかにディフェンシブな試合運びを披露する。前半動き回って消耗した体力をここで回復した。これはただの守り固めではない。ディフェンシブな選手交代をしていないので、もしもゴールを決められても、いつでも攻撃に切り替えることができるのだ。
逆にサンパウロに振り回されたリヴァプール。焦って攻撃に出て、後半は攻め疲れがあったように見えた。選手交代をすることなく、チームとしての運動量を変えていくことで、常に試合の流れを自分たちでコントロールしたサンパウロ。日本代表も大いに学ぶところがあったのではないか。


ブラジルには、ずる賢いプレーという意味合いの「マリーシア」という言葉がある。ユニフォームを引っ張ったり、相手を挑発したり・・・、そんなマリーシアは初心者のマリーシアに過ぎないのかもしれない。今日の決勝の試合運びがサンパウロの計算通りに動いたものだとしたら・・・。背中が寒くなるのを感じる。これをマリーシアと言わずになんと呼べばいいのか。


試合の"流れ"を作り出すのは、整備された戦術でもフォーメーションでもない。それは心理的要因をあやつる能力。まさに真のマリーシア。
上戸彩は「なんだか南米っぽくなかった」となかなか鋭いコメントを出していたが、実は今日のサンパウロの戦いこそが真の南米スタイルなのだろう。






後半、必死に攻めるリヴァプールに"勝たせてあげたい"という気持ちが生まれた。だがそれは叶わなかった。
そして試合が終わり、少し冷静になった俺は考えた。


この負けも今後のトヨタカップのためにはいいのかな、と。


ヨーロッパではトヨタカップを軽視する傾向があり、チャンピオンズリーグを最高峰と位置づけている。もし今回リヴァプールが勝ってしまえば、その風向きは一段と強くなっただろう。
「やっぱり、ヨーロッパじゃん」と。


負けたチームを含め、今回のトヨタカップについて。
第一回の世界クラブ選手権として、とても良かったと思う。
俺はこの1週間、地球的スポーツであるサッカーの縮図を見ていたようで、とても楽しかった。
ここから歴史は生まれていく。
次の歴史には、日本のチームが名を刻めるように願って・・・。

収穫はわずかに2つ。 アンゴラ戦〜日本代表〜

前半 〜まさに親善試合〜


今回の日本代表の出来について述べる前に、
まず言っておかなければならないのが、
「前半のアンゴラは戦っていなかったこと」だ。
前半、日本代表の攻撃はとてもスムーズなパスを繰り返してゴールに迫った。その大きな原因は、FWの柳沢と高原が楽にボールを受けることができたことに他ならない。アンゴラのディフェンスは驚くほどルーズだった。ポストに入ったFWに対するプレッシャーが一切ない。これがドイツW杯予選を、わずか6失点に抑えて1位通過を決めたチームとはとても思えなかった。
親善試合にふさわしい雰囲気のアンゴラ。選手もこんな試合でケガをしたくないと思っていたのだろう。彼らに戦う姿勢は全くなかったと言っていい。
もっとも、逆に言えば敵のプレッシャーが弱ければ、我らが日本代表はここまでテクニカルな試合ができるということだ。普段、パスミスをしたシーンなどで、「な〜んだコイツら下手くそじゃん」と単純に言ってしまう人はよく考えて欲しい。その原因を作っている相手のディフェンスの力を。やはりこれだけサッカーが普及した中で、日本代表に選ばれるほどの選手。只者であるはずがないのだ。
前半を総括すると、「内容は練習試合と同レベルのもの。全く参考にはならない」と言える。
そして後半、監督にゲキを飛ばされたのか、眠っていたアンゴラ代表は激しくガツガツ戦う戦士に生まれ変わることになる…。


後半 〜松井大輔が見せた可能性と、確認できた攻撃の形〜


松井大輔−。
以前ジーコが言っていた。「もうW杯のメンバーは9割方固まった。しかし、他に切り札があれば私は歓迎する。」 
『日本代表の最後の切り札』
そう、それこそが松井大輔なのだ。
ずっと昔から松井を知っている人は、今日の松井のプレーに違和感を感じたかもしれない。「あれ?もっとファンタジックにプレーする選手じゃなかった?」と。前線で激しく体を入れてボールを奪い返す、危険と感じたら相手をつかんででも止める。その姿は中田英寿のようでもあった。松井がフランスから持ち帰った収穫と言ってもいい。サーカスのスターだった男が、男のリングに雄々しく登場したのだ。


サッカーにおいて、オフェンスとディフェンスを完全に切り分けることは絶対に出来ない。オフェンスとは、ディフェンスでボールを奪った位置から始まり、ディフェンスとは、オフェンスでボールを奪われた位置から始まる。オフェンスが良ければディフェンスをする回数が少なくなり、ディフェンスが良ければオフェンスに行ける回数が増えるのだ。
後半、明らかに動きの良くなったアンゴラに日本は苦戦していた。後ろからガツガツ当たってくる強いプレスに、柳沢や高原たちのミスも増えていった。オフェンスでボールをつなげないので、ディフェンスに回る回数が増える。そんな悪循環の中で、司令塔の中村俊輔のボールタッチは激減してしまう。
そんな嫌な雰囲気を変えたのが松井だった。
ボールをつなげないのなら、高い位置でボールを奪ってしまえ。そうすればパスなんか繋がなくても、すぐにゴールに迫ることができる。
松井のハードなタックルは、身体能力に長けるアフリカ人相手にも一歩も引けをとらない。アフリカ選手の多いフランスリーグでプレーする彼には当然のことなのだろう。


そして迎えた後半終了間際−。
駒野のスローインを受けた俊輔が逆サイドへクロス。それを柳沢が折り返して、松井自身も「珍しい」と語るヘディングでゴールを決める。
この、逆サイドへクロスを入れて折り返したボールをシュートという形は日本代表が繰り返しやってきた形だ。単純にクロスを入れても、身体能力の強い世界レベルの選手には、競り負けてしまうことが多い。しかし、左へ右へボールが振られるこの形ならば、相手もマークに付ききれずフリーでシュートすることができる。それは真剣になったアンゴラ相手にも通用することが証明された。
日本のように、フィジカルで負けるチームがクロスから得点をするには、「マークをはずす」「早いクロスをディフェンスとキーパーの間に入れて、走りこんで勝負」「クロスの折り返しをねらう」 これらの形しかあり得ないのだ。
つまり、「競って負けるのなら、競らないでシュートできる方法を考えろ」というわけだ。


それが確認できたこと。そして松井が見せた可能性。
この2つは今回の試合での収穫と言っていいだろう。


さて、個別の選手に目を移してみよう。


稲本−。
無難にこなした印象だが、やはりこの役割ならば福西の方が上ではないかと思ってしまう。彼の持ち味である、ダイナミックな上がりからの攻撃参加が封じられてしまう今日の役割では、稲本は常に消化不良を抱えてしまうだろう。
そしてもう一つ。宮本が試合後に言ったように、稲本が後半でバテてしまったことにも言及しなければいけない。この試合、稲本よりも動いていた選手は沢山いたはずだ。これも普段、クラブで試合に出てない故の弊害か…。稲本がW杯で活躍するには、まずクラブでの活躍が必須条件となる。


駒野−。
やはりクロスの精度は抜群に良い。そこが加地とは違うところだ。
ただし、上がりが遅い、もしくは中途半端なシーンが多々見られる。
自分に出来ることをフルパワーで燃焼した松井に比べると、同い年とはいえ、まだまだ精神面の上昇余地があるように感じた。
そして後半、俊輔が1vs1で振り切られてそのままクロスを上げられたシーン。おそらく駒野はディフェンスでは中央に絞るように指示が入っていたと思うが、あれは駒野がカバーに入らなければいけない。
3-5-2のウィングバックの役割をシンプルに言うならば、「相手にクロスを上げさせない。そして自分がクロスを上げる」ということなのだ。


高原&柳沢−。
これだけ外せばもうスッキリだろう。ボールのもらい方や動き出しを見ていれば、やはりこの2人がファーストチョイスであることは揺るがない。田中達也がいれば、唯一そこに割って入る可能性があったと思うが、ケガをしてしまったのは本当に残念だ。
しかし…、なぜかこの2人が組むと決定機を外す印象がある…。


海賊ひでが選ぶMOM−。
中田英寿。
彼しかいないでしょう。
ボールの展開、決定機の演出、相手のスキを見逃さないボール奪取。
何をとっても世界レベル。
ただし唯一気になったのが、ボランチをやっていてもトップ下のクセがたまに出ること。ボランチの選手が自陣でスルーをするなんてあり得ない。以前、自陣深くで危険なボールキープをして、そのままゴールを決められた試合があった。ホンジュラス戦だっただろうか?
あの試合にもあったように、ボランチの位置で危険な選択肢を選ぶことがごくごく稀に見られる。
それが本番で裏目に出てしまわなければいいのだが…。


中田自身、ドイツW杯を最後と考えているだけに、悔いのない大会にしてもらいたいと心から願う。

リターンパス禁止。

「全員が集まるのは試合のときのみ。」
「まとまった練習時間が取れなくて、なかなかチームが強くならない。」


忙しい社会人チームにありがちな悩みだろう。
実際、俺が入っているチームでもそれはある。


狭いところでパスを回してしまう。ロングボール一本の展開に頼ってしまう。その結果、サイドを広く使った効率のいい展開が出来ていない。


これが今のチームの現状。
まとまった練習時間が取れないので、課題がそのまま残ってしまっている。
そこで俺は、練習試合を使ってこの課題を修正していくことを考えた。


リターンパス禁止。(ワンツー禁止)


それが次の試合の我がチームのルール。足かせ。
Aからパスを受けたら、Aにはパスを戻せないというルールだ。
つまり、パスを受ける前からA以外の味方の動きを把握しておく必要があるのだ。


リターンパスを禁止すれば、パスを出す方も受ける方も常に3人目の動きを意識しなければいけない。トラップの方向も非常に重要になってくる。その結果、次のプレーを予測したパスの受け方を身に付けることができる。視野も当然広くなる。


そして最終的には自然と周りを見ながら広いエリアへ展開していくクセがつくだろう、という意図だ。
そうすればワンツーでの局面打開も、より効果的な場面でのみ使うことができる。



さらにこの練習方法の優れた所は、常に実戦の中で鍛えられること。
決められた手順で練習を繰り返すよりも、その効果は分かりやすい。
ただ自由に漠然と練習試合を重ねるより、
ある縛りを自らに課すことで、大きなレベルアップを目指すことができる。
それはチームだけでなく、個人的課題についても同じだ。


たとえば左足でボールをコントロールするのが苦手だ、という人がいる。
練習している時間はない。
そんなときは、次の練習試合を左足のみでプレーすると決める。
そんなルールを自分に課してみるのも面白い。
(もちろんチームに迷惑をかけない範囲でやって欲しいが。)


このやり方はなかなか有効なので、
ぜひ、同じ悩みを持つ人がいれば試してみて欲しい。
課すルールは、自分やチームが持つ課題に合わせて設定しよう。

走れサッカー選手!

ナビスコカップ決勝
ジェフ千葉−ガンバ大阪
0−0


ジェフの選手は本当によく走った。
はた目に見ていても、より運動量が多かったのはジェフの方なのに、
後半、アラウージョなど足がつってしまう選手が続出したのはガンバ。


相当鍛えられてるんだなぁと感じた。


とにかくボールを持ったら即クロス、ロングボール。
そこから走ってセカンドボールを拾って攻撃をしようという、
お世辞にも効率がいいとは言えない、非テクニカルサッカー。


だけど必死にボールを追いかけ、
「自分たちは走ることしかできない」と胸を張って語るジェフの選手に、
俺たちは何かを感じて気持ちが高ぶったのは確かだ。


サッカーの母国、イングランドではハードにプレーする選手が好まれ、
テクニックでサーカスプレイをする選手は嫌われると言う。プレミアリーグの激しいプレースタイルを見れば分かるだろう。


やっぱりサッカーとは、「ボールを追いかけて走ること」。
本場の人たちはそれが感覚的に分かってるんだろうね。
だからこそ、このナビスコカップ決勝のような試合を、
もっともっと日本でも観戦できればいいなぁと思う。


そして今日、茨城県の高校サッカー選手権決勝を見た。
やっぱり高校サッカーは熱い。とにかく走る。
負けた水戸短大附属の涙にも、やはり何かを感じて熱くなってしまった。
ナビスコカップを見たときと、同じような感覚に陥った。


もしこれがプロ野球なら・・・、
高校野球とプロ野球が同じ感覚で見れるはずがない。
やっぱりサッカーは最高だ。
これほど誰に対してもオープンなスポーツは他にない。


ただ…高校サッカーの選手が、
コーナーフラッグ近辺で時間稼ぎや、
リスタート時の明らかな遅延行為をしていたシーンに、
やや興ざめしてしまったことも付け加えておこう。

『菊地直哉 1失点!?』

攻撃サッカーが光る川崎フロンターレ
3トップに「マルクス・我那覇・ジュニーニョ」を並べ、今日も攻撃的サッカーをめざす3連勝中のホーム川崎。それに対して新潟は4バック・3ボランチのアウェー仕様でのぞんだ戦い。
常にボールポゼッションをとって攻め込む川崎に対し、エジミウソンの一発カウンターが光る新潟。ゴールの可能性は同等だったが、先にチャンスを掴んだのはホームの川崎だった。前半30分、スローインからクロスを上げたのは、日本代表へ川崎史上初の選出となったDF箕輪。このクロスを谷口がヘッドで流し込み、先取点を奪う。箕輪はアシストを記録し、自身の代表選出に花を添えた。その屈強な身体と落ち着いたプレーぶりは、代表でも活躍が期待される。


サッカーの神様なんているのかい?
そして後半、なんとか1点を返そうと前へ圧力をかける新潟。しかしあと一歩の精度を欠いて、なかなかゴールへ迫ることが出来ない。そんな歯がゆい状況に、新潟サポーターの期待を一心に背負って登場したMF鈴木(慎)。新潟は攻撃的にシステムチェンジして勢いに乗るが、その勢いが持続したのはわずか数分間。サッカーの神様はあまりに気まぐれだった。
途中出場した鈴木(慎)が蹴ったCKは大きくクリアされ、フラフラと上がったボールはハーフライン付近のDFの頭を超え、なんと裏へ走るジュニーニョの足元へぴったり。ジュニーニョはそのまま30mを独走、GKと1vs1を落ち着いて決めて2-0とリードを広げる。さらに川崎はその後も一方的にシュートの嵐を浴びせ、防戦一方となってしまう新潟。


菊地直哉 1失点!?
2-0と引き離され、新潟は3枚のカードを切って最後の大勝負に出る。しかし今日の新潟は交代の何もかもが裏目に出てしまう。ジュニーニョの絶好のパスを受けた我那覇の突破を、GK相澤がエリア外でハンドで止めてしまい、一発レッドで退場に。代わってGKを務めたのは、なんと磐田から移籍のMF菊地。
「プレーする機会を求めて新潟に移籍した」と語っていた菊地だが…。それがこんな形で実現してしまうとは。
それでも菊地はマルクスのヘディングを意地のセービング。最後まで奮闘する姿は立派だったが、そのこぼれ球を我那覇に押し込まれて3-0。外してはいけない我那覇のマークを外したDFに激昂する菊地。
終わってみれば川崎の完勝だった。


たたかう司令塔
雲ひとつない快晴の等々力競技場の中で、川崎イレブンのプレーは常に輝いていた。さらにその中でも一際まぶしい光を放っていたのは、司令塔のMF中村憲剛だ。彼の足が繰り出す多彩なパスは、中にかたよりがちな川崎の攻撃を引き締める唯一の手段だった。体は小さいが腰を落としたボディバランス・決して奪われないボールコントロール・そして最後まで落ちない運動量は、まさに川崎サッカーの生命線と言ってもいい。メンタル面でも非常に闘争心が強く、判定に納得出来ないときは地面に手を叩きつけて悔しがる姿をみせた。
川崎Styleのタクトを振るう、熱きマエストロ。
彼のプレーをもっともっと見てみたい。

Jリーグ第22節 横浜F・マリノスvs名古屋グランパス

Jリーグ第22節 横浜F・マリノスvs名古屋グランパス
(日産スタジアム)
横浜
GK 榎本(達)        控え
DF 中澤           榎本(哲)
   松田           中西
   河合           山瀬
MF 田中(隼)         清水
   那須           坂田   
   上野
   ドゥトラ         監督 岡田武史
   大橋
FW グラウ
   大島


名古屋
GK 楢崎          控え
DF 山口           川島
   古賀           秋田
   増川           藤田
   角田           ルイゾン
MF クライトン        中山
   吉村
   中村           監督 ネルシーニョ
   渡邉
FW 杉本
   豊田


夏の憂鬱から抜け出すのは横浜か? それとも名古屋か?
ともに調子は今ひとつ、しかしその地力は疑いようのない実力派チーム同士の対戦だ。僕の隣りに座ったおばあちゃんの、「マリノスは2連覇してこれで本物かと思ったのに。サッカーって難しいねぇ」という言葉が印象的だ。
そんな声が聞こえたのか、横浜は坂田・山瀬をスタメンから外して結果の出ないチームにメスを入れる。一方の名古屋もルイゾン・藤田をベンチに置くサプライズを決行。
「この試合で悪い流れを断ち切りたい」
そんな岡田・ネルシーニョ両監督の声が聞こえてくるようだ。


前半の展開
開始早々から横浜はパワーサッカーを仕掛ける。奪ったボールはすぐに前線のグラウに当てて展開、両サイドのドゥトラ・田中のポジションを高く保って前へ前へ圧力をかける。左サイドのドゥトラは老獪なプレーでボールの落ち着きどころを作り、危険を決して冒さない。相手にとってこれほどイヤらしい選手はいないだろう。そしてスピードとキレのあるドリブルでディフェンスを切り裂く右サイドの田中。相手にとっては脅威以外の何者でもない。このJリーグ屈指の両サイドアタッカーは横浜の生命線と言ってもいい。そしてやはり先制点はここから生まれることになる。
前半23分、右サイドでボールをキープした大橋から、一瞬の隙をついてDFの裏へ抜け出した田中(隼)へスルーパス。これをゴールラインギリギリで折り返し、グラウがループ気味に決めて先制。その後も圧倒的に攻める横浜だが、大島・上野がビッグチャンスを決めきれず1-0で折り返す。
トップ下に入った大橋はパスが自分の頭を超える展開にとまどっていたようだが、横浜のやりたいサッカーは明確だった。中盤は守備のバランスが非常に良く、全員が1vs1に強い。
FWがどういう形でボールに触るのか、それが攻撃のスタイルを決めるといってもいい。しかし足元でパスをつなごうと試みた名古屋はFWがボールに触ることすらなく、形が全く見えなかった。


後半の展開
当然のごとく、名古屋は開始から動いてきた。
藤田・ルイゾンが交代出場し、軽率なパスミスが目立った山口、ボールの落ち着きどころを作れなかった中村を外す。ディフェンスはスリーバックに。杉本は右サイドに入った。サポーターは大いに盛り上がり、「トシヤコール」が鳴り響く。
すると後半開始直後、前半の流れを全く無視するかのように名古屋が押し込んでいく。クライトンが高い位置で奪ったボールを杉本につなぎ、CKフラッグ近辺からグラウンダーのクロス。これを混戦からルイゾンが泥臭く決めて同点に。
ルイゾン・藤田を中心に勢いで勝る名古屋だったが、相変わらずゴール前に向かう形が見えない。全く試合は分からなくなったものの、じりじりと横浜に押し返される一進一退の攻防が続く。
そしてついに後半39分、藤田⇒豊田とつなぎ、杉本がDFとGKの間に低く早いクロスを蹴りこむと、ファーへ走りこんだルイゾンがこの日2点目の逆転ゴールを決める。アウェーながらスタジアムには大きな歓声が沸いた。そして試合は元セレソンの華麗なる逆転劇で幕を閉じる…はずだったが、名古屋は後半ロスタイムにクロスボールへの対処で痛恨のPKを与えてしまう。スタジアムにはざわざわと不協和音が響く。
「え? なんかあったの? PKなの? なんで? イエローカード?誰に?」
名古屋の必死の抗議にも判定は覆らず、途中から入った山瀬がこのPKを決めて結局2-2のドロー。最後はなんとも消化不良な試合に終わってしまう。心なしかスタジアムから帰る観客も言葉少なげだった。もっとワイワイ騒ぎながら試合を語る姿が見たかったが…。


ルイゾンが魅せるストライカー像
高さも早さもないルイゾンだが、「サボりの芸術」とも言うべきプレーは必見だ。
じっとルイゾンを目で追っていると、普段はのっそりと歩いてばかりいる。周りがジョグしていようと関係ない。しかしスペースを見つけた瞬間に猛ダッシュをかけ、ハッと気づけばゴールがぷんぷん匂うポジションにいる。まるで「獲物をねらう肉食獣」のようだった。マーカーの中澤もやりにくさを感じていたのではないか。
パワーのウェズレイ、テクニックのマルケスに代わる新たな切り札の誕生だ。

ジネディーヌ・ジダンの魂(バックナンバーより)

憎らしいほど冷静に、そして残酷に。
ジネディーヌ・ジダンの放ったシュートは、イングランドを地獄へと叩き落とした。


ユーロ2004グループリーグB、フランスvsイングランド。
後半終了間際まで1-0でリードしていたイングランドは、このまま守って逃げ切るかと思われていた。だがフランスがゴール正面で得たフリーキック。なんとこれを主将ジダンが決めて、フランスは同点に追いつく。さらに2分後、気落ちするイングランドの隙を突いてアンリがPKを得る。キッカーはまたもやジダン。


‥彼は大会前に言っていた。
「このユーロ2004が終わったとき、ジダンの大会であったと言わせたい」と。


これ以上ないプレッシャーが彼に襲いかかる中、ゴール正面に立つジダン。彼が蹴ったボールは左ゴールポストギリギリをかすめ、サイドネットに吸い込まれた。衝撃だった。シュート自体ももちろんすごいが、この大一番でもきわどいコースを狙っていく精神力。少しでもズレが生じればゴール枠すらも外れてしまう。自分の技術に相当の自信がなければこんなボールは蹴れないだろう。また一つ、この男に伝説が生まれた瞬間だった。
一方のイングランドにも追加点を奪うチャンスはあった。ルーニーが得たPKだ。しかし、イングランド主将ベッカムはこれを外してしまう。ベッカムは軸足が浮くほどに強くボールを蹴った。その結果、弾丸シュートで確実にゴール枠をとらえたものの、コースに甘さが出たシュートはGKバルテズにスーパーセーブの機会を与えてしまった。
10本PKを蹴れば、8本は決めるであろうベッカムとジダンの明暗を分けたのは、いったい何だったのか。


少し古い話になるが、昨年アメリカの空爆により始まったイラク戦争。それに対するサッカー界の選手の声を紹介したい。
ベッカム「僕が考えているのは、戦争で親を失った子供、子供を失った親のことだ。サッカーの試合に勝つことで彼らに微笑みを与えることができるのであれば、ぜひともそうしたいと思うよ。」
バッジョ「すべての命にかけがえのない価値がある。僕はそう信じている。空爆される家にとどまることしかできない人たちのこと、戦場に向かう兵士のこと。僕はそんな人たちのことを思わずにはいられない。」


誰もが胸に抱える戦争の悲しみを語った。しかしそんな中で、全く異質のコメントを出す選手がいた。
ジダン「我々はサッカーの試合をして、スポーツの話をするためにここにいるのです。それ以外の話題には触れたくありません。この試合に勝って、勝ち点を15にして、ユーロ2004本大会への出場をより確実なものにすることしか考えていません。」


人によっては、彼を冷たい人間だと思うかもしれない。だが、彼はサッカー選手という枠を超えて雄弁に語ることを嫌った。プロのサッカー選手としてのプライド、そして大舞台でも揺るがない自信。
その結果、彼は何万ものプレッシャーがかかる中でも普段通りのキックでPKを決めた。彼の名はジネディーヌ・ジダンなのだ。

雨降ってチームは固まった(バックナンバーより)

プレミアリーグ第23節 ブラックバーンvsチェルシー(2-3)


この日のピッチは雨が降っていた。
ここの所ケガ人が続出し、プレミアリーグでもなかなか勝てなくなってしまったチェルシー。一時は首位に立っていたものの、今では首位アーセナルと勝ち点5の差がついてしまった。静かに降り続く雨は、失速する今のチェルシーを映しているようだった。


攻撃の要、クレスポ・ダフ・ベロンを故障で欠き、守備の要であるデサイーは年齢による衰えを隠せない。キックオフ直後の前半3分、攻守に不安を抱えるチェルシーをあざ笑うかのようにブラックバーンが先制する。その後ボールを持ちつつ反撃に出るチェルシーだが、なかなかゴールを割ることができない。「あぁ、またか・・・」そんな空気が流れ出した前半25分、やや後方からタイミング良く飛び出したのはイングランド代表MFランパードだった。ハッセルバインクの折り返しを冷静にゴール左隅に流し込む。この雨が降りしきる逆境の中、あれほど落ち着いて技術の高いシュートを決められる選手を、僕はジネディーヌ・ジダン以外に知らなかった。このランパードという選手に出会うまでは。


試合を振り出しに戻したランパードは、続く前半35分、久しぶりの復帰となるプティのパスを受け、この日2点目の逆転ゴールを決める。雨に濡れた体で抱き合い、頼りになる男ランパードを祝福するチェルシーの選手たち。


すっかり息を吹き返したかに見えたチェルシーだったが、この日の雨は更なる苦難を運んでくる。圧倒的に攻めながらも追加点を奪えないまま迎えた後半42分。1-2でチェルシーの勝利。誰もがそう思い、既に家へ帰ろうとする観客もいた。「サッカーは何が起こるか分からない」って誰が最初に言い出したんだろう。事件は起こってしまった。ブラックバーンの選手が投げやりに上げたクロスは、大きくワンバウンドして逆サイドの選手に届き、そのまま決められてしまう。一瞬のディフェンスの気の緩みが招いた事故だった。痛い。本当に痛いゴールだ。今日の勝利で悪い流れを断ち切りたかったチェルシーにとって、悪夢以外の何者でもなかった。


こりゃチェルシーはほんとにやばいな・・・。少なくとも僕はそう思いつつ、観戦意欲の失せた試合を横目で見ていた。
右サイドバック、グレン・ジョンソンが中央に走る。
(おいおい、お前のプレーエリアはそこじゃないだろ)
そしてボールを受ける。
(おいおい、中央でパスもらって何ができるんだ?)
ボールが宙に浮く。
(しかも、トラップミスかよ!)
しかし、偶然にも飛び込んでいた敵DFはかわされる。
(あらあら‥もうぐだぐだやんけ‥)
さらに敵DFのプレスに合うが、一瞬早くジョンソンがボールに触ってかわす。(ありゃっ?)
ジョンソンがハーフボレーで右足を振り抜く!
(ちょっとまて‥)
ボールが右ゴール天井に突き刺さる!
(な、なにぃぃーーー!!)


技術的には、ランパードが決めた2本のゴールの方が遥かに上だった。
しかしこの19才のジョンソンのゴールで、チェルシーイレブンの興奮は最絶頂に!
ジョンソンが泥だらけのピッチに倒れ込む。
続いてその上に、ムトゥ・ハッセルバインク・ブリッジ・マケレレ・テリー‥。平均移籍金230億の体が泥にまみれ、重なっていく。選手は皆とてもいい顔をしている。11人みんな子供のような顔だ。喜びすぎて足を痙攣させてしまったジョンソンをランパードが優しく抱き込む。よくやったぞ、と。
紛れもない「チーム」の姿だった。


シーズン前、「金でスター選手を買いあさったクラブ」と呼ばれたチェルシーの姿はどこにもなかった。こんな不細工な勝利を、本気で喜ぶ11人のサッカー馬鹿がそこにはいた。

支配されたモチベーション(バックナンバーより)

2004年3月某日・・・。年末に行われるサッカー天皇杯へ出場する東京都代表を決める、東京カップの2回戦が行われた。強豪ひしめく東京ブロックを勝ち抜くことは容易なことではないが、我がチームもプロと対戦できる天皇杯本戦を目指して必死で戦った。


しかしその結果は、期待を大きく裏切る1−6の負け。しかも対戦相手は去年2−1で勝ったチームだ。さすがにこの結果には、誰もがショックや悔しさを隠せなかった。惨敗だ。負け惜しみにしかならないのかもしれないが、相手がウチよりも技術・フィジカルで勝っているとは思えなかった。むしろ原因はウチのチームにあり、集中力・一体感というものがどこか欠けていた‥。
「戻れ!ディフェンス戻れーー!」
ベンチから監督の声が鳴り響く。サイドバックの戻りが遅い。
「当たれ!当たれー!」
足先だけでボールを取りに行き、体を当てない中盤。こぼれ球は全て相手に拾われてしまう。
「呼べ!声出せー!」
スペースに走り込んでも、ボールを要求しようとしないフォワード。当然、パスは出てこない。
そういった組織全体の乱れを相手に突かれ、1失点‥2失点‥ついには6点もの大量失点を喫してしまった。ボールへの執着心、勝ちへの意識は、去年の都リーグ3部で優勝したときとは全く別のチームだった。一生懸命プレーはしたが心の芯まで集中できたとは言い難かった。


この試合が行われる数週間前‥。
実は僕らは、1回戦を不戦勝で勝ち上がった。原因は相手チームが人数を揃えられなかったためだ。僕らの感覚では信じられないことだが、4部あたりのチームでは起こり得ることだ。新選手が多く加入し、まだ完成度の低かった僕らのチームにとって実戦は極上のチーム練習だった。そのために朝早くから意気揚々とグラウンドに集まったが、試合中止の連絡には誰もが言葉少なげだった。今にして思えば、このとき既にチーム全員の想いはバラバラになっていたのかもしれない。ずっと張り詰めていた、見えない緊張の糸が切れてしまっていたのだ。この日以来、チームに流れるダラッとした雰囲気を感じていた者もいたが、最後までどうすることもできなかった。


スポーツにおいて最も大事なのは、モチベーションである。激戦を勝ち抜いたチームというのは、モチベーションが自然と高まっていく。一昨年のW杯で優勝したブラジルも、南米予選を大苦戦の末勝ち上がっている。またベスト4入りを果たした韓国も、予選ではポルトガルと同じ組に入りながらこれを撃破、スペイン、イタリアと次々と強豪を破る。勝つことがチームにとって唯一の特効薬、それを実感させる戦いだった。


僕らはあの不戦勝によって楽をして勝利する味を覚えた。
その代償はあまりに大きかったのだ。

イスタンブルの悲劇

2004-2005シーズンのチャンピオンズリーグ決勝。
ミランvsリバプール



僕は試合が終わった今でさえも、「やっぱりミランの方が強いんじゃないか」と思っている。ミランの奪った3点はいずれもリバプールの守備を完璧に崩し、圧倒的な必然のもとに挙げたゴールだ。カカを中心に組み立てた連動性、スピードあふれるミランの攻撃。そこには運という説明が入り込む余地はない。それに引き換え、リバプールが奪ったゴールは同じ3点でも運や偶然が大きく作用したように見える。特に1,2点目に関してはジェラードが中央で待ってヘディング、スミチェルのやや苦し紛れ気味のミドルシュート、それらはサイド攻撃を特徴とするリバプールの本来の型ではない。またこれらは10回やって10回ゴール出来るような攻撃ではなく、むしろ10回やったら1,2回しか入らないゴール。偶然を味方にした感がある。
だが、アンチェロッティの言葉を借りれば「これもサッカー」ということなんだろう。



奇跡は運がなければ成り立たないが、執念なくして運気を引き寄せることはできない。赤い紙ふぶきの中でトロフィーを掲げるジェラード、彼には間違いなくそれがあったのだ。



それにしてもオーウェンはギャンブルの下手な男だ。
あと1年我慢すれば・・・。

レアル復活!その鍵を握るプレーヤーは!?

2004-2005シーズン UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント
レアルマドリードvsユベントス 1st reg


開始早々、左サイドを柔らかいタッチで切り裂いたユベントスFW、デルピエロ。長い間ケガに泣いていたが、彼はここ2年ほどの間で昔の自分を取り戻しつつある。そんな彼のキレキレの突破を見たときは、「このゲームはデルピエロが銀河系軍団をテクニックでも圧倒するかもしれない」と思ったものだ。実際、世間の下馬評でもユベントスがやや有利だった。
だが試合が終わってみれば、この試合はレアル復活の狼煙(のろし)とも言うべきものになった。


9.5番から9番へ
9.5番−。
それはレアルFW、ラウールに付けられた称号だ。背番号は一般的にはエースストライカーが9番を付け、司令塔が10番を付けるものとなっている。(勝手に自分の好きな番号を付ける選手も多いが)
つまり9.5番とは、ストライカーと司令塔の中間ポジションということになる。誰が言い始めたのかは知らないが、ウマイことを言うものだ。ゴールを決めるだけでなくアシストやパス散らしも得意とする、それがラウール本来のプレースタイルなのだ。
しかしこの試合のラウールは普段の彼とはやや違った。中盤まで下がる回数は減り、その分最前線に張って裏のスペースを狙う。ジダンらが中盤でパスを回している間も、ラウールはDFラインの中で細かいポジション修正を繰り返していた。その動きはユベントスDFにとって脅威だった。ロベルト・カルロスの早いクロスに飛び込んでバーに当てたシュートといい、彼の貪欲な動きには熟練のDFテュラム・カンナバーロでさえ手を焼いた。今日のラウールの輝きは、悪童ロナウドの存在感を全く感じさせなかった。
そして裏を返せばラウールがそんなプレーができるのは、レアルの中盤に参加する必要が全くなかったからである。そう。それはシーズン前半には不調に苦しみ、引退物議が止まらなかった男の華麗な復活なくしては語れない。


マルセイユが生んだ奇跡
ジネディーヌ・ジダン。愛称をジズー。
前半、彼はユベントス陣内深くでマルセイユルーレットを披露した。そのまま中へクロスを蹴られる状況だったのに彼はわざわざ1回転して一人かわし、サイドへパスを送った。意味のないサーカスプレイと言ってしまえばそれまでだが、今思えばこのプレーでジズーは今日の自分のコンディションの良さを確かめたのかもしれない。
ユベントスの激しい中盤のプレッシャーをかいくぐるパス回し。その中心にいるのは紛れもなくジズーだった。絶対にボールを奪われない安定したキープ力、飛び込んでくる敵を鮮やかに避けるテクニック。これこそがジズーだ。ぜひともこの華麗なプレーをハイライト等で見て欲しい。ロナウジーニョの虜になった浮気者のサッカーファンが、再びジズーの元に戻ってくるに違いない。
そしてそんな彼と素晴らしいコンビネーションで中盤を構成したのがベッカム、フィーゴだ。ベッカムは守備面での貢献度が高い名脇役をつとめた。フィーゴのトップ下は安定感があってさすがのキープ力を見せていた。
だがこの試合、僕の最大の驚きは中盤の最後のピースを埋めたスキンヘッドの男だった。


マケレレよりもレアル向き!?
マケレレがレアルを去って以来、レアルはボランチのポジションに常に悩まされてきた。これまでこのボランチを試された選手はジダン、ベッカム、エルゲラ、グティ、カンビアッソらと数多い。しかしそのいずれもがディフェンス面での不安、パス展開の下手さなどからレアルの中盤を支えることは出来なかった。
ところが今シーズン、そのレアル最後のピースを埋めるためにエバートンからやってきたのがデンマーク代表のグラベセンだ。スキンヘッドの風貌に似合わない、柔らかい足元のテクニック。そして風貌そのままの激しく献身的なディフェンス。マケレレほどの守備範囲はないとしても、マケレレを凌駕するパスの展開力。特にグラベセンのインサイドキックの軌道は恐ろしいほどに滑らかだ。普通グラウンダーとは言いつつも、大概の選手のキックはボールが小さいバウンドを繰り返して飛んでいくものだ。だが彼のキックはまるで氷の上を滑らせているかのようなボールの軌道を描く美しいものだった。人は見かけによらないものだ。


2nd regへの展望
ほとんどがレアルへの賞賛で終わった試合だったが、結果だけを見れば1-0。決して安心できるスコアではない。しかしユベントスというチームは1-0で勝つことは出来ても、大量点を取ることがあまり得意ではない。そういう意味でもレアルのディフェンス陣の安定感、特に上で述べたグラベセンの働きが鍵を握るだろう。








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バイエルンミュンヘン vs アーセナル

2004-2005シーズン UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント
バイエルンミュンヘンvsアーセナル 1st reg


バイエルンのホームスタジアム、オリンピアシュタディオンで行われた1戦。
ミュンヘンはとても寒く、選手もサポーターも白い息を吐いていた。ピッチサイドには雪が壁のように積み重なっていて、ハーフタイムにはサポーターが雪合戦をして遊んでいる姿も見られた。
この寒さというアウェーの洗礼に立ち向かうこともアーセナルには必要になる。
バイエルンはバラックを筋肉のケガで欠き、アーセナルはアシュリー・コールが風邪、キャンベルがケガ、ベルカンプは飛行機嫌いで帯同せず。両チームとも完全なベストメンバーは組めないが、アーセナルの方がDFラインの中心が2人も抜けることを考えるとやや不利か。


試合結果はこちらでどうぞ。
スポーツナビ


サッカーの中のサッカー(バイエルン)
試合開始直後から圧倒的に攻め込んだのはバイエルンだった。2トップ、ピサーロ・マカーイが前線に基点を作り、ディフェンスラインからのボールを受ける。そこにフリンクスが絡んでボールを散らし、サリハミジッチ・ゼロベルトの両サイドからサイド攻撃。一言で言えば、バイエルンは非常に基本に忠実な攻めだった。バラックが欠場している分、中央からのミドルシュートなどの怖さはなかったが、その分サイドからの分厚い攻撃には目を見張るものがあった。アーセナルのDFも対人は強いのだが、一度前線のピサーロらに基点を作られるとどうしてもマークがずれる。そして困ったことにそのずれた箇所をレジェスやピレスはカバーしてくれないのだ。


サイドに泣いたアーセナル、サイドで吠えたバイエルン
アーセナルはバイエルンの徹底したサイド攻撃に全く対応できなかった。その大きな原因は、ピレス・レジェスがほとんどディフェンスしないこと。ディフェンスに入ったときもものすごく軽くアッサリかわされて追いかけようともしない。この日、アーセナル監督のベンゲルは普段サイドで起用するリュングベリをFWアンリの下に置き、レジェス・ピレスをサイドMFに起用した。裏へ抜けるスピードの早いリュングベリを生かして彼にゴールを決めさせようという意図だったのだろうが、これは逆効果だった。リュングベリは慣れないポストプレーをこなすことに戸惑い、レジェスは無理な突破を仕掛けて何度も自分の裏を取られてしまった。バイエルンの長所とアーセナルの短所が上手くかみ合ってしまっていた。
付け加えれば、DFトゥレは得点にも失点にも絡む大活躍。センターバックが目立つ仕事ぶりというのは全く褒められたものではない。GKレーマンに関しても目に見える大きなミスはなかったものの、飛び出し・シューターとの間合いといった立体的感覚に欠けたキーパーだということを再び露呈してしまった。


美しきプレッシングサッカー
バイエルンの守備は圧巻だった。並のプレスならアーセナルは簡単にパスを回して切り裂いてしまうが、バイエルンの守備はあまりに見事だった。前線と中盤が連携してプレッシャーをかけて囲み、中央をガッチリと抑えた。そしてレジェスらのサイド突破にも、カバーリングが完璧。たとえドリブルで一人かわしても二人目で必ず捕まってしまう、そんな絶妙の組織バランスで守っていた。完全な1vs1は全く作らせず、なんとかかわしてパスを回すアーセナルをどんどん追い詰めていく。そしてボールを奪えばすぐに縦へ攻める。前線がサボるアーセナルに対し、全員ディフェンスのバイエルンは美しいまでに理想的なプレスをかけていた。ボールポゼッションで負けてもゲームを支配したのはバイエルンだった。


2nd regへの展望
ほとんどいい所のなかったアーセナルだが、セットプレーからとはいえ1点を返したのは大きい。これで2ndのアーセナルホームで2−0でもアウェーゴール2倍ルールにより勝ちとなる。
そこで焦点になるのが2ndでのバイエルンの戦い方だ。守備に重きを置いて1点差以内に抑えて総合勝ちを狙うか、さらにアウェーでも攻めて2勝を狙うか。これは監督の考え方が全てになるが、マガト監督の傾向からいけばおそらく守備的に戦うことになるだろう。その場合、鉄壁のバイエルンの守りをアーセナルがどう崩すかがポイントになる。中央をガッチリ固められると何も出来ないアーセナル。この欠点は何年も前から全く変わっていないし、これこそがアーセナルが欧州リーグで勝てない理由だ。2nd regでアーセナルが爆発するきっかけを得るか否か。全てはそこにかかってくる。







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気持ちが技術を超えるとき

気持ちが技術を凌駕した。


「モチベーションに勝る武器はない。」
これはサッカーにおける僕の持論だ。どんなに強くても、勝ちに対して貪欲でなければ試合でいい結果を出すことはできない。たとえ技術があろうがフィジカルが強かろうが、モチベーションなくして発揮できるものではない。
・・・だが。
そうは言いつつも、「さすがにこれには勝てないだろう」と思ってしまうときもある。今日の相手はまさにそんな段違いのテクニックを持つチームだった。


フットサル公式戦シーズン最終戦(味の素ミズノフットサルプラザ)
僕らは次の対戦相手の試合を見ていた。
「・・・なんだコイツらは。」
恐ろしいまでに足裏に吸い付くボールテクニック。
右に出して足裏で引いて左へ、かと思わせてさらに足裏で右へ、かと思わせて左へ切り返す。しっかりと体重が乗ったフェイント。しかも足の動きが恐ろしく早い。
僕は大抵、上手いプレーを見たときはそれを真似てみようとする。・・・が、この相手はそんなレベルじゃなかった。全く真似ができない。
なんとこの相手はここまでリーグ戦9試合を全勝。しかもそのほとんどの試合を大差で勝っている。このチームには、フットサルの強豪「ロンドリーナ」やサッカーの強豪「FC VENGA」の選手が所属していた。それに対し、部活未経験者までいる僕らのチームが勝つ要素などまるで見当たらなかった。


しかし僕たちは走った。とにかく走り、戦った。あれだけ段違いの絶技を見せつけられながら、全員の目が生き生きとしていた。さらに相手は技術がある代わりに急造メンバーで作った、いわばジーコジャパンのようなチーム。それだけに上手くプレッシャーをかければボールをカットできるシーンもあった。相手の油断と幸運も手伝って、なんと3点を先取。
しかしこれが彼らに火をつけた。
前半はゴール前でも積極的にシュートを打たず、パスを回して遊んでいた彼らのスタイルが変わった。ウチのパスは3本とつながらない状態が続いた。しかし体を張って守り、なんとか相手にしつこく喰らいついてマークを外さなかった。だがそれでも2点を返され、やや相手の地力に押されてきたと感じ始めた、そのときだった。
相手を背にした状態から反転し、サイドを突破したファイター型FW。Tは迷わずに豪快に右足を振りぬきトゥーキック。これが矢のようにゴールファーサイドに突き刺さる。これが勝負を決めた。僕らはそのまま逃げ切った。


「全員が頑張っているあそこのチームは強い」
試合後、華麗な足技を披露した相手からはそんな賞賛の言葉が漏れた。







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ジョゼ・モウリーニョのメモ

2005年2月12日(土)
第27節 エバートンvsチェルシーの試合より。


今やモウリーニョはヨーロッパで話題のデキる監督
その監督が試合中、交代で選手を入れるとき面白いシーンがあった。
交代で入ったMFヤロシクは、一目散にMFティアゴの元へ走った。
そして何やら紙を取り出して渡し、ティアゴはそれを読んだ。
なんと、この紙には指揮官モウリーニョの指示が書いてあったのだ。さながら007の極秘指令書のようだ。実に珍しい光景だが「ピッチ上にメモを持ち込むな」というルールはない。
大抵の監督は、戦術指示を大声や身ぶり手ぶりで伝えようとするものだ。だがサポーターの声援にかき消されたり上手く伝わらないことが多々ある。だがモウリーニョは「メモを書いて渡す」という簡単な方法でこれを解決した。
冷静で緻密な戦略を立てる彼らしい、なんとも型破りなエピソードだ。監督という仕事の枠にとらわれないモウリーニョ。これからも彼が何を見せてくれるのか楽しみだ。


ちなみに試合の方は開始早々にクライマックスを迎える。なんと!
エバートンFW、ジェームス・ビーティは裏へ出たボールを追いかけた。しかしチェルシーDFのギャラスは体を入れてブロック。ゴールキックを得ようとする。よく見かけるごく当たり前のプレー。
しかしそれに対しイラ立ったビーティはそのまま後ろから頭突きをお見舞いしてしまう。当然、レッドカード。
残念ながら、後半終了間際にプレーへの苛立ちからこういった愚行をしてしまうのはよくあること。だが開始3,4分でというのは珍しい。ビーティはよほど悪い精神状態で試合に臨んだに違いない・・・。


結果はグジョンセンのゴールで、チェルシー得意の1−0勝利。




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ショーン・ライト・フィリップス

最近のお気に入り選手紹介コーナー!!!
・・・第1弾(笑)


ショーン ライト フィリップス
1981/10/25生まれ
168/64
ポジション:MF
イングランド代表
マンチェスターC所属


小柄の黒人で、
スピード・テクニックのあるドリブラー!
サイドでの1vs1はほとんど勝つ。
ディフェンダーにとって、早くて巧いヤツほど嫌なものはない。
ベンゲルが好きそうなタイプの選手だ。
まだ若いので将来のイングランドを支える逸材となるだろう。
まずはドイツW杯でのブレイクが期待される。






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北朝鮮のサッカーで思った。在日の複雑

北朝鮮のボールテクニックは、前線のホン・ヨンジョらを除けばかなり低かった。フィジカル的に目を見張る選手もいない。それでもアジア最強を名乗る日本を後半ロスタイムまで苦しめた。日本のサッカーにも問題はあったが、その大きな理由は北朝鮮の在日Jリーガーのアン・ヨンハッ、リ・ハンジェの2人にあったのではないか。

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PROFILE

清水英斗 (海賊ひで)
  • 清水英斗 (海賊ひで)
  • 走るサッカーライター、
      戦うサッカー馬鹿。28歳
      2006年11月までドイツ在住
          →帰国済
       好きな言葉は、
       「海賊王に俺はなる!」

     『ドイツW杯航海日誌』 公開中!

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